2018(H30)年6-7月の貴重書展示「千代田之大奥」
『千代田之大奥』
そろそろ雨の長引く季節となり、雨の時期を過ぎると夏の気配を感じます。読書をしながら季節の移り変わりを楽しむのも良いですが、同じ季節を昔の人々はどう感じていたかなどと、歴史に思いをはせるのも良いのではないでしょうか。
今回の貴重書展示は、当館が所蔵している浮世絵コレクションの中でも特に人気の高い、楊州周延(ようしゅうちかのぶ)の「千代田の大奥」を展示します。楊州周延は幕末から明治にかけて活躍した浮世絵師で、美人画を得意としていました。
「千代田の大奥」は江戸時代の大奥を想像で描いた作品群ですが、明治の人々にとって「大奥」は非常に関心の深いテーマで、当時は大変な人気を博していたようです。
その中から、梅雨・夏を描いたものなどを展示します。ぜひご覧ください。
展示期間・場所
期間:6月1日(金)~7月29日(日)
場所:静岡県立中央図書館 閲覧室 貴重書展示コーナー
※期間中、約2週間ごとに展示を入れ替えます
展示資料一覧
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6月1日(金)~6月17日(日) 『千代田の大奥花菖蒲』 | ||
K915-108-031-012 『千代田の大奥花菖蒲』 |
美しい菖蒲が咲き、端午の節句の頃と思われます。端午の節句には、御三家、御三卿、御家門から粽が献上され、御目見得以上の女中には柏餅が配られました。 若い上臈が菖蒲に見とれているようです。 |
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6月19日(火)~7月2日(月)『千代田の大奥狆のくるひ』 | ||
K915-108-031-013 『千代田の大奥狆のくるひ』 |
大奥にもペットブームがありました。若い上臈が犬に薬玉を与えて遊ばせていますが、この座敷犬が狆で、日本で飼育改良された日本固有の犬種です。御小姓は狆に乱されないようにでしょうか、棚に草子や巻子を収めています。 |
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7月3日(火)~7月16日(月)『千代田之大奥七夕』 | ||
K915-108-031-014 『千代田之大奥七夕』 |
7月7日は「七夕の節句」で御座之間の縁端に果物や菓子の供物を盛った白木の台を置き、その四隅に葉竹を立てて、灯明を供えました。御目見え以上の女中たちは自作の歌を書いた短冊を御年寄に渡し、御台所に披露された後、竹に結び付けられました。 |
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7月18日(水)~7月29日(日)『千代田之大奥入浴』 | ||
K915-108-031-015 『千代田之大奥入浴』 |
御台所の入浴は、毎朝御休息之間の湯殿で行われ、湯殿へは御三之間が湯を担いで運びました。 この浮世絵では、浴衣姿の御台所が手ぬぐいかけのそばで涼んでおり、稚児髷の御小姓が団扇を回して風を送っています。汗は浴衣に吸わせ、何度か着替えを行ったそうです。 |