2016年7月の貴重書展示
韮山反射炉と江川英龍
韮山反射炉はUNESCOの世界遺産として登録された「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の1つです。反射炉は壁や天井で熱を反射・集中させて温度を高め、鉄製の大砲を鋳造可能とした金属炉です。江戸末期には各地で築造されましたが、現存する遺構は萩と韮山の反射炉だけです。
韮山反射炉の築造者が江川英龍(号:坦庵 通称・襲名:太郎左衛門)です。英龍は伊豆韮山の世襲代官である江川家第37代当主で、砲術や西洋の技術書翻訳に力を入れていました。ペリーの黒船来航を受けて海防掛に命ぜられた際、性能の良い鉄製大砲が製造できる反射炉の必要性を感じ、築造に着手しましたが、存命中には完成に至らず、事業を継いだ息子により反射炉は完成しました。
韮山反射炉で作られた鉄製大砲は、こちらも英龍により設営された品川台場に配備されるなど、幕末期の国防で活用されました。
展示期間・場所
期間 7月19日(火)~8月22日(月)
場所 静岡県立中央図書館 閲覧室 貴重書展示コーナー
(期間中、資料を入れ替えて展示します)
展示資料一覧
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