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2015年3月の貴重書展示

『最も優れた電磁式指示器及び指打式電信機略説 』画像

19世紀の先端技術

世間のイメージとして「日本の近代化を進めたのは明治新政府で、江戸幕府は近代化に消極的だったから倒された」と思われがちですが、それは本当なのでしょうか?

当館の特殊コレクション『葵文庫』は、江戸幕府が収集した書物3,586冊からなります。その中でも西洋の書物は全体の3分の2以上を占め、さらに工学分野の資料はその中でも大きな割合を占めています。それは、幕府が欧米列強に対抗するため、西洋の最新技術を積極的に入手していたということを示しています。事実、幕府はペリー来航以降、工学や造船などの分野で様々な新技術を取り入れ、近代化を進めてきました。

世界遺産登録が期待されている韮山反射炉も、当時最新の溶解炉として、韮山代官江川英龍が幕府に築造を進言し、安政4(1857)年に完成しました。全国各地でも反射炉は築造されましたが、現存している遺構は萩と韮山の反射炉だけです。

展示期間・場所

期間 3月10日(火)~4月下旬
場所 静岡県立中央図書館 閲覧室 貴重書展示コーナー
(期間中、資料を入れ替えて展示します)

展示資料一覧

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書名等 画像 略説
AN249
『最も優れた電磁式指示器及び指打式電信機略説』
『最も優れた電磁式指示器及び指打式電信機略説』画像  幕末の舶載蘭書本のうち、電信機器関係では、現存唯一の専門書です。
本書は図版が豊富で、ここではモールス式印字電信機を説明しています。

AN197
『時計学及び時計製造人のためのハンドブック
『時計学及び時計製造人のためのハンドブック』画像 オランダの時計職人スミットが50年に及ぶ経験を初級者向きに著した時計の入門書です。序論は時計発達略史を兼ねています。
舶載蘭書における時計関係の単著として貴重なものです。
AN282
『熕銕全書圖』
『熕銕全書圖』画像 大砲の鋳造法を記述した『オランダ国立ロイク製鉄大砲鋳造所における鋳造法』(ヒュゲニン著)の翻訳書で、附図の箇所を毛筆で正確に写したものです。韮山や佐賀の反射炉を造築するにあたって大いに参考にされました。

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