2013年10月の貴重書展示
文明開化の象徴 蒸気車鉄道
幕末期、イギリスが中国を武力で圧倒したアヘン戦争は、日本にとってかなり衝撃的な事件でした。特に、イギリスの蒸気船は日本にとっても脅威で、幕府や諸藩は、黒船来航の10年以上前から蒸気機関の研究を行ってきました。旧幕府の蔵書からなる当館の葵文庫に蒸気機関についての洋書があるのは、当時の幕府の研究の様子を表しています。
このような研究の成果もあり、黒船来航の2年後には、初の国産蒸気船「雲行丸」が完成し、明治5(1872)年には、新橋-横浜間に初めて鉄道が開業しました。さらに、その17年後には東海道線が全通するなど、日本の鉄道網は驚異的な発展を遂げます。
歴史学者のトインビーは「人類の歴史の奇跡の一つは、日本の明治以降の近代化である」と述べましたが、近代化の背景には、幕末期の蒸気機関の研究や鉄道網の急速な拡大があったと言えそうです。
今回の展示では、当館で所蔵する蒸気車関係の資料を展示します。
展示期間・場所
期間 10月1日(火)~30日(水)
場所 静岡県立中央図書館 閲覧室 貴重書展示コーナー
展示資料一覧
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