2013年7月の貴重書展示
貴重書に描かれた富士山
富士山が世界文化遺産に登録されたのは、富士山が古くから信仰と芸術の対象となっていたからです。富士山から45kmも離れている三保松原が構成遺産として登録されたのも、その景観の文化的価値が認められたからでした。
富士山は芸術家たちの重要なモチーフでした。北斎の『富嶽三十六景』や広重の『富士三十六景』を始めとして、多くの芸術家たちが富士山をモチーフに優れた作品を残しています。富士山が海外の芸術家に与えた影響も大きく、ゴッホの『タンギー爺さん』や『耳を切った自画像』にも背景に富士山が描かれています。
当館の特殊コレクションにも富士山が描かれた資料が数多く存在します。当館所蔵の浮世絵にも富士山が多く描かれているほか、富士登山図や宝永噴火の様子など、当時の富士山と人々との関わりを知ることのできる貴重な資料も所蔵しています。
今回の展示では富士山が描かれた貴重書や浮世絵を展示します。
展示期間・場所
期間 6月29日(土)~7月30日(木)
場所 静岡県立中央図書館 閲覧室 貴重書展示コーナー
展示資料一覧
画像をクリックすると、当館デジタルライブラリーの該当資料または拡大画像が表示されます。
書名等 | 画像 | 略説 |
S220/1 『駿国雑志』 |
駿河加番(駿府城の警備役)として駿府に赴任した阿部正信が、天保14(1843)年に記した駿河国の地誌の写本です。 詳細pdfはこちら |
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Q291/19 『駿府風土記』 |
駿府近郊の名所旧跡、名産品、年中行事、駿府城内に関する詳細な記述と、駿府城町割図などの手彩色された絵図が掲載された地誌です。 詳細pdfはこちら |
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K915/27 『百富士』 |
河村岷雪が各地から見た富士山の風景を百図にまとめたもので、それぞれに俳句がついています。 | |
K915-108-021-024 『富士三十六景東海堂左り不二』 |
歌川広重が描いた「冨士三十六景」の1つです。 東海道を京に向かうと、富士は常に右側に見えています。ところが吉原宿のあたりで大きく道が曲がるため、富士が左から姿を現わします。このことが珍しく「左富士」の名所として話題になりました。 |
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K915-108-036-033 『富士山諸人参詣之図』 |
国輝による見立絵で、物価の高下を富士講の登山、下山によって示しています。右手の登山連の笠に書かれているのは騰貴している品物、左手の下山する人の笠に書かれている品物は値下がり品を表わしています。 |