2026(令和8)年9月のWeb版貴重書展示「十返舎一九の膝栗毛」
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K217/2
『道中膝栗毛』
江戸後期、出版文化の発展により本は庶民の娯楽となりました。この時代に絶大な人気を誇った戯作者(小説家)が、十返舎一九です。一九は駿府町奉行所の同心・重田幾八の家に生まれ、府中(現在の静岡市)で育ちました。
武家奉公を経て25歳で文筆の世界に入ると、江戸の版元・蔦屋重三郎に見いだされ、本格的な執筆活動を始めます。初期は文章と挿絵を自ら手がけ、多作の作家として力をつけます。
そして享和2(1802)年に刊行が始まった『東海道中膝栗毛』の大ヒットにより、原稿料のみで生計を立てる「職業作家」のさきがけとなりました。
本展示では、静岡が生んだプロ作家の代表作『道中膝栗毛』から、お馴染みの弥次さん・喜多さんが繰り広げる、笑いあり失敗ありの賑やかな珍道中をご紹介します。
展示期間・場所
期間 9月1日(火曜日)~9月29日(水曜日)
場所 静岡県立中央図書館 閲覧室に入ってすぐの貴重書展示コーナー
展示資料一覧
「東海道中膝栗毛」について
『道中膝栗毛』は、駿府生まれの十返舎一九によって執筆された滑稽本です。享和2(1802)年の執筆開始から計18冊が出版され、その後も全国各地の街道を旅する『続膝栗毛』が25冊、文政5(1822)年まで実に43冊、21年間に及ぶロングセラーとなりました。今日では、本編(18冊)と『続膝栗毛』(25冊)を合わせた全作品を総称して「東海道中膝栗毛」と呼ぶのが一般的です。
駿府宿出身の弥次郎兵衛と、江尻宿出身の喜多八のコンビが、東海道を旅しながら巻き起こす珍騒動や軽妙な掛け合いが、江戸庶民の心をつかみました。本作のヒットは江戸庶民の旅への憧れを大いに掻き立て、空前の旅行ブームを巻き起こす一因ともなりました。
静岡県内の各宿場の景観や名物、方言などが生き生きと描写されており、当時の人々の生活と文化を知る上でも貴重な資料となっています。
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