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2026(令和8)年6月のWeb版貴重書展示「学問のすゝめ」

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『学問ノススメ』は、明治時代の啓蒙思想家であり、慶応義塾の創立者でもある福沢諭吉の著作です。明治5(1872)年に出版された初編は、元々福沢の故郷である旧小倉県中津(現大分県中津市)に開学予定であった中津市学校の生徒に学問の大切さを示した小冊子でした。
この書の中で、福沢は本来平等であるべき人間に貴賎の差が生じるのは学問の有無による、としています。また、誰もが生活に役立つ実学を優先すべきであり、そのような学問を身につけた人々によって創られる文明社会がいかに価値のある社会であるかということを強く訴えかけています。
当館は最初に刊行された初編から17編までをすべて所蔵しています。いずれも1冊が十数ページの、パンフレットのような薄い和綴本です。

展示期間・場所


期間 5月30日(土曜日)~6月29日(木曜日)
場所 静岡県立中央図書館 閲覧室に入ってすぐの貴重書展示コーナー

展示資料一覧

画像をクリックすると、当館デジタルライブラリーの該当資料、又は拡大画像が表示されます。

書名等 画像 略説

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『学問ノスヽメ 初編』




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初編では、四民平等と学問の推奨について言及しています。

人間には生まれによる差はないと述べた上で、世間にある貧富の差は、学問に励んだかどうかで決まると断言しています。それらを踏まえ、国民は学問を通じ自らを律する術を知り、才能と品格を備えていくべきである、と論じています。そして教養のある国民が増えることで、日本が国家として独立し、豊かな生活が送れるようになるとしています。

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『学問ノスヽメ 第2編』


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第二編前半では、タイトルは『学問ノススメ』だけれども、学問とは字を読むことだけを指すのではないと述べています。

いくら知識を身に付けたとしても、それを活用する力を養うことを目指したり、物事の道理をわきまえようとしていないのだとしたら、それは真に学問をしているといえないとしています。また、後半では、人間は平等で、かつ政府と人民とは対等であるので、政府とわたりあえる人民となるために、いますぐ学問に志しなさい、と勧めています。

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『学問ノスヽメ 第9編』

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第九編では、まず、人の心身の活動には一個人としての活動と、社会人としての活動との二つがあると説明しています。

個人として衣食住の安定を求めることは当然なことで、これだけでは人間としての務めを果たしたとは言えない、家を建てたり、せっせと自分たちの富を蓄えたりするだけなら蟻と同じレベルだと述べています。今の文明は過去の世界中の人々が一体となって今の我々に譲り渡してくれた遺産なのだ、我々も社会の一員として志を高くもち、後世に役立つ遺産を残そうと論じています。

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『学問ノスヽメ 第12編』

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第十二編前半部分は、多くの人を集めて個人の意見を言うことはあまりなかったこの時代に、「スピーチ」の大切さ、面白さを説明しています。
後半は国民の見識の低さを危惧し、そもそも人間の品格とはなにか、またそれを高めるにはどうしたらよいかを論じており、大切なことは物事の状況を比較検討し、より高みを目指して、自己満足しないことであると述べています。ただし、比較検討するとは、ただ一つの事、一つの物を比べることではなく、全体の有様を見比べて、双方のよいところや悪いところをくまなく観察することであるとしています。また、このことについて国内の事例にとどまらず、かつて繁栄していたインド・トルコが衰退していった有様を事例として挙げ、説明しています。

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