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2026(令和8)年2月のWeb版貴重書展示「富士山の日記念展示 広重の富士」

K915-108-021-053

『駿河薩タ之海上』
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2月23日は、「ふじさん(223)」の語呂合わせで富士山の日です。平成21年に「静岡県富士山の日条例」という県の条例で制定された記念日で、「県民が、世界に誇るべき国民の財産であり、豊かな恵みをもたらしている富士山について理解と関心を深め、富士山を愛する多くの人々とともに、富士山憲章の理念に基づき、富士山を後世に引き継ぐことを期する日」として設けられました。
条例では「富士山を後世に引き継ぐための県民運動の促進に努める」とも定められており、毎年、富士山の日前後には、各地で富士山の日の関連イベントが開催されています。ちなみに、山梨県でも平成23年に県の条例で2月23日を富士山の日とし、本県と同様の取組を行っています。
当館では、富士山関係資料を積極的に収集しており、現在1,500点以上所蔵しています。
最新のガイドブックや研究書などのほか、江戸時代に出版された貴重書もあります。明治期の登山案内や戦前の観光パンフレットなど、その多くは閲覧が可能です。書庫にある資料の閲覧につきましては、カウンター職員にお問い合わせください。

展示期間・場所

期間 1月31日(土曜日)~2月26日(木曜日)
場所 静岡県立中央図書館 閲覧室に入ってすぐの貴重書展示コーナー

展示資料一覧

画像をクリックすると、当館デジタルライブラリーの該当資料が表示されます。

書名等 画像 略説

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『駿河薩タ之海上』(するがさったのかいじょう)



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本作品は、歌川広重『富士三十六景 駿河薩タ之海上』によく似た絵で、廣重(ひろしげ)画とも書かれていますが、極印(きわめいん)や版元印などが確認できないことから復刻作品と考えられます。
由比と興津の間に位置する薩埵峠(さったとうげ)は、東海道の難所として知られる一方、富士と駿河湾を望む景勝地としても知られてきました。広重は『東海道五十三次』などでは峠からの眺望を描いていますが、本作では画題が示すように、海上から薩埵山と富士を仰ぎ見る構図をとっています。波濤(はとう)や波しぶき、千鳥の表現などには葛飾北斎の影響が見られます。一方で、重なり合う荒波と泰然とした富士を上下に配した構成、色鮮やかな色彩表現には広重ならではの画風がよく表れています。

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『富士三十六景東海堂左り不二』(とうかいどうひだりふじ)

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東海道を江戸から京に向かって進むと、富士山は常に右側に見えています。ところが吉原宿のあたりで大きく道が曲がるために富士山が左から姿を現わすことが珍しく「左富士」の名所として話題になりました。
手前の道を行く旅の僧は、左に見える富士山を不思議そうに眺めているように見えます。その視線に導かれ、絵を見る私たちの視線も富士山に至ります。富士山から眼を落とすと、道の左側には田園が広がり、地元の人が田植えにいそしんでいます。富士山の雄大な姿は、人々の日常を見守るかのようです。

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『東都名所駿河町之図』(とうとめいしょするがちょうのず)

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東都名所の「東都」は西の京都に対する江戸をさします。駿河町(現在の中央区日本橋室町(むろまち)の一角)は、通りの真正面に富士山が見えることから、富士山のお膝元である駿河国にちなんで付けられた地名です。手前の店の建看板に「呉服物品々/するか町/越後屋」と書かれていますが、三井高利(みついたかとし)が開業した駿河町の大店(おおだな)・越後屋(三越百貨店の前身)です。
伊勢出身の三井高利(1622~1694)は、伊勢松坂で酒屋・質屋・高利貸などの商売をしていましたが、江戸へ進出後莫大な利益をあげ、貞享4(1687)年には幕府呉服所となり両替商も始めました。暖簾印にもなっている「丸に井桁三」が商標として用いられました。

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K915-108-021-005
『富士三十六景甲斐御坂越』(ふじさんじゅうろっけい かいみさかごえ)

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御坂峠は山梨県の笛吹市と富士河口湖町との境にある峠です。日本武尊(やまとたけるのみこと)がこの坂を通ったことが御坂の地名の由来とされ、富士山の眺望の美しさから、花水坂(はなみずざか)(北杜市)・西行峠(さいぎょうとうげ)(南部町)とともに甲斐富士見三景と呼ばれました。
手前に峠、中間に湖面を広く取って奥行きを強調した湖(河口湖)を挟み、その向こうに雪化粧した富士山を配置しています。名所の風景を描きながらもそこでの人物の営みを巧みに描き出した絵師らしく、峠を行く旅人の姿や遥か対岸に見える集落から、峠の頂で突然開けた絶景に立ち止まった旅人の驚きや道中の苦労が伝わってくるようです。

デジタルライブラリーへのリンク 富士三十六景甲斐御坂越

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