2025(令和7)年9月のWeb版貴重書展示「厚生新編」
AJ8
『厚生新編』
現在、大阪で2度目の万博(大阪・関西万博)が開催されている最中ですが、六千万人以上もの入場者があった一度目(1970年)の大阪万博に、当館が所蔵する貴重書が出品されていたことをご存じでしょうか。
出品されたのは、当館の特殊コレクション「葵文庫(江戸幕府旧蔵書)」の『厚生新編』という資料です。フランスの百科事典(のオランダ語増補改訂版)を幕府の一大事業として翻訳した稿本であることから、フランス館で展示されました。
フランス館の展示目録『日仏の出会い 1970年大阪万国博覧会フランス館』(1970年刊)によると、「日本における最初のフランスについての知識」をテーマとした陳列台に、「日本人にとり百科にわたる重要な知識の源」の例として展示されたことが分かります。ちなみに、巻頭の謝辞には、当時の当館の館長と司書と思われる名前も記されています。
今回の大阪・関西万博では、本県の食などを体験できるブースの出展がありましたが、この『厚生新編』の展示から、前回の大阪万博と本県との関わりにも思いをはせていただけたら幸いです。
展示期間・場所
期間 8月30日(土曜日)~9月29日(月曜日)
場所 静岡県立中央図書館 閲覧室に入ってすぐの貴重書展示コーナー
展示資料一覧
画像をクリックすると、当館デジタルライブラリーの該当資料または拡大画像が表示されます。
書名等 | 画像 | 略説 |
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AJ8 『厚生新編』 (『English and Dutch dictionary』、『Nederduitsch en Engelsch woordenboek』) |
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フランス人ショメール(1632-1712)が編纂した『Dictionnaire œconomique』のオランダ語訳『Huishoudelijk Woordenboek(家庭百科事典)』第2版(1778年)を日本語に翻訳したものです。 |
S010.9/14『静岡県立中央図書館館長高林静夫あて感謝状』 |
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昭和45年に大阪で開かれた日本万国博覧会フランス館へ当館所蔵の『厚生新編』を出品した際、フランス政府から贈られた感謝状です。 |
G035/10 『Huishoudelijk Woordenboek』 (和訳:『家庭百科事典』) |
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フランスのショメールが編纂した家庭用百科事典のオランダ語版です。本書は1777年に刊行されたものですが、1778年刊行の国立国会図書館の所蔵本が、江戸時代における最大の翻訳事業といわれる『厚生新編』編纂の際の原本となりました。 デジタルライブラリーへのリンク Huishoudelijk Woordenboek(家庭百科事典)(左の画像はデジタルライブラリーでは見られません。) |
035/1-2 『厚生新編』(翻刻) |
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静岡県立葵文庫に収められた『厚生新編』は稿本であったので、世間に知られていませんでした。これを遺憾に思った、葵文庫の初代文庫長・貞松修蔵が毛筆で筆写し、副本を作製しました。それを基に昭和12(1937)年に本書が刊行され、『厚生新編』がようやく初めて世に出ました。 ※国立国会図書館デジタルコレクションに登録されています。図書館向けデジタル化資料送信サービス(図書館送信)または個人向けデジタル化資料送信サービス(個人送信)で閲覧できます。 |
035/3 『厚生新編』(影印) |
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本書は、百巻の完全な影印復刻版です。誤記・誤植を避けるため、写真版での復刻となりました。上の翻刻版刊行の後に当館に入った稿本も追加され、総目次・部門別・事項別の三種の索引、大槻玄沢・馬場佐十郎・宇田川榕菴(うだがわようあん)らの自筆稿本も追加されました。 ※国立国会図書館デジタルコレクションに登録されています。図書館向けデジタル化資料送信サービス(図書館送信)または個人向けデジタル化資料送信サービス(個人送信)で閲覧できます。 |