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2022(令和4)年7・8月のWeb版貴重書展示「いざ鎌倉!」

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『百練抄(ひゃくれんしょう)』

いざ鎌倉!

Web版 貴重書展示~

現在放映中の大河ドラマ「鎌倉殿の十三人」(NHK)。脚本家の三谷幸喜さんが「これが原作のつもりで書いている」と話された『吾妻鏡』が注目されていますが、その他にも『源平盛衰記』など、さまざまな史料を基にドラマが制作されています。
今回はその中から、源平合戦を描いた物語『源平盛衰記』、公家の日記などから記事を抜粋・編集した鎌倉時代の歴史書『百練抄』、鎌倉幕府の各将軍の事績をまとめた系図『鎌倉将軍家譜』の江戸時代の版本を展示します。
また、東海道広重美術館で開催の展覧会「源平の争いと鎌倉幕府」では、当館所蔵の資料が多数展示されています。ぜひ、そちらも御覧ください。

東海道広重美術館 展覧会「源平の争いと鎌倉幕府」
会期:2022年7月12日(火曜日)~9月11日(日曜日)

展示期間・場所

期間 7月1日(金曜日)~8月30日(火曜日)
場所 静岡県立中央図書館 入口入ってすぐの貴重書展示コーナー

(期間中、資料を入れ替えて展示します)

展示資料一覧

画像をクリックすると、拡大画像が表示されます。

書名等 画像 略説

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『源平盛衰記(げんぺいせいすいき)


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『平家物語』の広本系の異本ですが、近世以来独立した別個の軍記として流布しました。作者・成立については諸説あり、葉室時長(はむろときなが)(平安末・鎌倉初期の文学者)や玄恵(げんえ)法印(南北朝時代の天台宗の僧)、葉室時長の縁者を作者とする説があります。
『平家物語』と比較して歴史記事が詳細で、史料としての多量の文書が収載されているほか、大量の挿話(歴史余話・和漢故事・先例談・由来談・社寺縁起等)がされています。
江戸時代には『大日本史』編纂事業の一環として『参考源平盛衰記』が編纂されるなど、史書として武家社会に尊重されてきました。
当館が所蔵しているのは京都の書肆(しょし)、茨城多左衛門(いばらきたざえもん)が寛政8(1796)年に刊行した版の後印本(ごいんぼん)です。

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『百練抄(ひゃくれんしょう)』

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編年体の歴史書で編者は不詳。冷泉(れいぜい)天皇(在位967年-969年)から後深草(ごふかくさ)天皇(在位1246年-1259年)までの歴史が漢文で記されていて亀山天皇の在位中(正元元(1259)年-文永11(1274)年)の成立と推定されます。
17巻本ですが、1~3巻は散逸してしまい現存するものは4巻以降です。先行の歴史書や、貴族の日記、年代記などを参照しながら抜粋して編集したようですが、その出典はほとんど明記されていません。
記事には京都やその周辺の事柄が多く、鎌倉幕府や地方のことには詳しくありません。武家方の『吾妻鏡』に対して公家方の当時の事情を知る重要な資料といえます。

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『鎌倉将軍(かふ)』

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家譜とは、家ごとに先祖代々の続柄を系統図の形に整理して、必要に応じて略歴を注記したもので、系図、系譜ともいいます。
この『鎌倉将軍家譜』は、鎌倉幕府初代将軍源頼朝から第9代将軍守邦新王(もりくにしんのう)までの各将軍の業績をまとめたもので、『京都将軍家譜』、『織田信長譜』、『豊臣秀吉譜』とともに、徳川幕府以前の武家政権の家譜を編纂した『将軍家譜』のうちの1つです。
著者の林道春(どうしゅん)は、江戸初期の儒学者であり、徳川幕府に仕えた林羅山(らざん)で、道春は僧号(僧としての名)です。林羅山が徳川幕府の命を受けたのですが、多忙だったため、三男林鵞峰(がほう)(春斎(しゅんさい)が編纂したといわれています。

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