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2021(令和3)年4月のWeb版貴重書展示 「江戸の花見」

千代田大奥御花見

AN173K915-108-031-009『千代田大奥御花見 』

江戸の花見

~Web版 貴重書展示~

日本の春を象徴する事象は多くありますが、毎年春のたよりとしての話題に桜の開花があり、この時期になると多くの人々が花見に繰り出します。花はいろいろあるのに、花見といえば桜が思い浮かぶくらい、日本人には桜を愛でる風習があります。

花見の歴史は古くからありますが、その風習が庶民にまで広まったのは、江戸時代になってからだといわれています。江戸の人々も現代と同じように花見を楽しんでおり、当時の花見は前の晩から支度をして1日がかりで出かける、一大イベントであったようです。

今回の展示では、当館所蔵の上村翁(かみむらおう)旧蔵浮世絵集に収められている浮世絵師の1人である楊洲周延(ようしゅうちかのぶ)の錦絵を展示します。「千代田大奥御花見(ちよだのおおおくおはなみ)」「やまと風俗(ふうぞく)上野清水(うえのきよみず)ヨリ不忍(しのばず)の眺望(ちょうぼう)」とも、3枚続の大判錦絵となり、見応えのあるものです。江戸時代の桜と花見の様子が描かれた錦絵を通して、今年は桜を堪能してみるのはいかがでしょうか。

展示期間・場所

期間 4月2日(金曜日)~4月29日(木曜日・祝日)
場所 静岡県立中央図書館 閲覧室 貴重書展示コーナー
(期間中、資料を入れ替えて展示します)

展示資料一覧

画像をクリックすると、当館デジタルライブラリーの該当資料が表示されます。

書名等 画像 略説
K915-108-031-009
『千代田大奥御花見 』
※前半のみ
千代田大奥御花見

「千代田大奥」は、江戸大奥の年中行事や大奥で暮らす女性たちの姿を描いたシリーズものです。

大奥のお花見の宴は、桜が咲きそろう前の暖かい日に、千代田(江戸城)西側にある吹上御苑(ふきあげぎょえん)で開かれました。御苑内のあちこちに幔幕(まんまく)が張られ、団子や焼田楽の店が出て、お酒も売られ、少々の羽目外しも許されたようです。左手では目隠し鬼で戯れ、転んでいる奥女中がおり、右手からは華やかな着物をまとった御台所(みだいどころ)(将軍の正室)が御中臈(おちゅうろう)(将軍や御台所の身辺世話役)達を従えてやってくる姿が描かれています。

K915-108-034-028
『やまと風俗上野清水ヨリ不忍の眺望』
※後半のみ

やまと風俗上野清水ヨリ不忍の眺望

周延(ちかのぶ)は、天保9(1838)年8月8日高田藩士の嫡男として生まれました。
幼児期に狩野派を学んだ後、浮世絵に転じて国芳(くによし)や国貞(くにさだ)の門人となり、国周(くにちか)に学び周延(ちかのぶ)の名を得ます。

上野寛永寺(かんえいじ)の清水観音堂(きよみずかんのんどう)は、京都東山(ひがしやま)の清水寺(きよみずでら)を模して建立されました。
不忍池(しのばずのいけ)を望む舞台は、当時の浮世絵にも多く描かれた有名な景観でした。

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