図書館周辺のPHOTOギャラリー〔2010年初秋編〕
静岡県立中央図書館周辺は木々の緑に囲まれた憩いの空間です。
四季折々の美しい表情をご紹介します。
第4回/初
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花の説明
1 ミヤギノハギ
マメ科ハギ属。中部地方や山形県、福島県に自生するケハギから改良された園芸種。落葉低木で高さ1~2メートル。枝はしなやかに垂れる。花期は8~10月。萩などの秋草で名高い"宮城野"(仙台市)の名前を借用して"ミヤギノハギ"と名付けた。
2 アレチヌスビトハギ
マメ科ヌスビトハギ属。1年草。茎は直立か斜めに立つ。高さ50~100センチ。1940年代に渡来した帰化植物。荒れ地、空き地、道端などに生育。花期は8~10月。果実は3~5節にくびれ、表面にかぎ毛が密生し他物に付着しやすい。
3 ススキ
イネ科ススキ属。日本各地の平地や山地の日当たりのよい場所に普通に見られる大型の多年草。大きな株をつくって群生する。高さ1~2m。ススキはすくすく立つ木(草)の意味であろうという。漢字では芒、薄などが使われる。古名の尾花は花穂の姿による。秋の七草のひとつ。
4 ヒガンバナ
ヒガンバナ科ヒガンバナ属。日本各地に分布。人里近くの草やぶ、土手、道端に自生する。
花茎の高さは30~50センチ。花期は9~10月、秋の彼岸の頃に花が咲く。中国の長江(揚子江)の流域が原産地。別名を"曼珠沙華"ともいう。古代インドの言葉〔梵語〕で、赤い花を表わす。この言葉は『法華経』にもあり、"彼岸"という言葉とともに、仏教に係わる名前である。
5 キンモクセイ
モクセイ科モクセイ属。原産地は中国。日本各地の庭や公園に植えられている。木の大きさは3~6メートル。花は直径5mmほどだが、鮮やかな橙色で枝いっぱいにつく。雌雄異株で日本には雄株しかなく結実しない。秋の代表的花木。
6 ヨウシュヤマゴボウ
ヤマゴボウ科ヤマゴボウ属。北米原産で、日本各地に帰化している。道端、市街地の空き地、土手などに生える。枝分かれが多く、大型になる。枝先に小さな花が穂状に並ぶ。実は緑色から黒色に変化。高さ1~1.5メートルくらいになる。実の色が"マルミノヤマゴボウ"に似ていて外国産なので"洋種"をつけた。
7 キツネノマゴ
キツネノマゴ科キツネノマゴ属。本州、四国、九州に分布。1年草で花期は8~10月。道端、空き地、畑のあぜ道に自生する。花は唇形。下唇は大きく目立つ。茎の頂部や枝の頂部に、円筒形の花の集団〔穂状の花序〕ができ、花は一斉に咲かず、1つか2つずつ順番に咲く。花のがくと包に白色の毛がある。この花の穂〔花序〕を、"狐の尾"に見立てた。しかし、狐の尾に比べて、あまりにも小さい。たとえていえば、"孫"の大きさになることからこの名がついた。
8 ハグロソウ
キツネノマゴ科ハグロソウ属。東北地方南部以西の本州、四国、九州に分布。山地の林の中に自生する。多年草で高さ20~40センチ。花期は9月~10月。茎は対生に枝分かれし、その頂部に花をつける。花は薄紅色で唇形。上唇も下唇も反転し、両花弁の基部には濃斑点がある。
名前の由来は"お歯黒"や"羽黒山"を連想したいが、単に葉が暗緑色だから"葉黒草"。
9 ミズヒキ
タデ科ミズヒキ属。北海道から沖縄までの日本各地に分布。草やぶ、森陰、林の中に自生。多年草。花期は8~10月。小さな花がまばらに長い穂状につく。それを上から見ると紅く、下からのぞくと白く見え、紅白なので"水引"の名がついた。
引用した資料
- 1・4・6・7・8・9 高橋勝雄/写真・解説「野草の名前 秋・冬 山渓名前図鑑」山と渓谷社2003年(当館請求記号470.38/タカ)
- 2 岩瀬徹/著「形とくらしの雑草図鑑 見分ける、身近な280種 野外観察ハンドブック」全国農村教育協会2007年(当館請求記号470.38/イワ)
- 3 林弥栄/編・解説「日本の野草 山渓カラー名鑑」山と渓谷社2009年(当館請求記号470.38/ハヤ)
- 5 鈴木庸夫/著「樹木図鑑実用 mini books」日本文芸社 2009年(当館請求記号653.2/スス)