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2020(令和2)年12月のWeb版貴重書展示 「江戸の旅本」

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291/44 東海道名所図会

江戸の旅本

~Web版 貴重書展示~

東海道は、現在でもJR東海道線や国道1号線として、日本の主要幹線を担っていますが、街道の整備は律令政治の時代から始まったとされています。
東海道が発達した最大の要因は、大名による参勤交代です。最大で数千人規模の大名行列が東海道を利用することにより、宿場ばかりではなく宿場周辺の経済も大いに活性化しました。
また、江戸時代中期になると、豊かになった庶民が旅行をするようになり、第一次東海道ブームが起こります。また、19世紀になると、『東海道中膝栗毛』や『東海道名所図会』の出版がきっかけとなり、第二次東海道ブームが起こりました。
江戸時代の庶民の旅行は幕府により厳しく制限されていましたが、参詣と湯治が目的の旅行であればほぼ無制限に許可されていました。そのため、多くの庶民は伊勢神宮参拝を名目に旅行に出かけ、お蔭参りのような集団参詣も発生しました。

展示期間・場所

期間 12月1日(火曜日)~12月27日(日曜日)
場所 静岡県立中央図書館 閲覧室 貴重書展示コーナー

展示資料一覧

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書名等 画像 略説
291/44
『東海道名所図会』
東海道名所図会

名所図会は、江戸時代後期から明治期にかけて出版された旅の案内書で、各地の神社仏閣・名所旧跡・名物・説話等を、歴代の歌人の和歌や著名な絵師の挿絵などを用いて解説している資料的価値の高い地誌です。全6巻のうち静岡県下の22宿は巻三から巻五にわたって記されています。(当館所蔵本は巻四が欠けています)
この絵図には「三島神社」(現在の三嶋大社)とあり、本殿や拝殿に加え、安政の地震で倒壊した三重塔も描かれています。広い境内の彼方にそびえる富士山が、三嶋大社の美しさを一層引き立てています。

S290/225
『東海・木曽両道中懐宝(かいほう)図鑑』
東海・木曽両道中懐宝図鑑

本書は江戸時代中期に刊行された旅の案内書です。上段に東海道、下段に木曽路と分けられ、各宿場の様子や街道沿いの風景が描かれています。特徴としては、宿場間の距離に関係なく、見開き1ページで1宿を描いていることにあります。小型ながら、旅先へ携行することを目的としているため、次宿までの路程、宿場や街道沿いの寺社・旧跡、名物、宿場間に設けられた休泊施設である立場(たてば)、道中の目安となる山々など多岐にわたる情報が記されています。

Q291-5
『道法早算用(みちのりはやさんよう)道中記 東海道中仙道』

道法早算用道中記 東海道中仙道

本書は江戸時代後期に出版された旅の案内書です。東海道(53次)と中仙道(69次)の宿場間の距離のみを記した一枚刷りで、携帯できるように折りたたみ式となっています。文化15(1818)年の初版に続き、文政13(1830)年、嘉永5(1852)年と版が重ねられました。(当館所蔵本はこのうちの第三版です)
現代の高速道路の料金・距離表や鉄道の運賃・特急料金表などにも見られる形式で、任意の宿駅間の距離が計算不要で瞬時に求められます。この早見表の登場は画期的なことであったと言えるでしょう。

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