(2)昌平坂学問所(しょうへいざかがくもんじょ)の旧蔵書
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寛政9年、幕府の官学に改組されて以来、林家からの移管本に加え、多くの書籍が収集され、その蔵書には林家伝来の書籍も含め、すべて毎冊表紙右上隅と毎冊末葉左上隅とに「昌平坂学問所」の黒印が押された。
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「昌平坂学問所」
(4.6×3.0cm) (黒印)
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AJ5「諸家系図纂」
の表紙
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同左巻末
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AJ5 の場合は、表紙右上隅の「昌平坂学問所」印の上に「家伝」という木版刷りの小紙片(分類配架記号)が貼られており、巻末の余白部分にも「昌平坂学問所」の黒印が押されている。左下隅の「文政乙酉」の小形の朱印は、乙酉(きのととり)つまり文政8年(1825)に受け入れたことを示す受け入れ印である。
江戸幕府は、文化7年(1810)から地誌調所を学問所内に開設して、全国的な地誌の編集を行い、そのための資料として集めた地誌、紀行、地図類の毎冊右上隅に「編脩地志備用典籍」という朱大印をおしたといわれる。(AJ16の例)
AJ16表紙右上の「別記」は分類配架記号、「陸奥」は地域(範囲)を示す。また右下の「昌平坂」(4.6×1.6cm)の黒印は、「昌平坂学問所」印と区別して、地誌編集等の目的で収集したものに押されたという。
地図左下隅にも「昌平坂」の黒印が押され、併せて受け入れ印である「安政丙辰」(3年)の朱印が見える。 |
AJ16 蝦夷地全図(安政2年)
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右上隅「編脩地志備用典籍」印
(7.2×4.0cm)
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表紙
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<参考文献>
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「内閣文庫蔵書印譜」
010.2-132「日本文庫史の研究」(小野則秋著)第二章昌平坂学問所文庫の研究 |
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