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名著・貴重書/江戸幕府旧蔵の和漢書
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(2)漢籍 2

K071-2
[葵文庫(江戸幕府旧蔵書)以外の貴重書]
駿河御譲本(するがおゆずりぼん)
『春秋公羊伝』(しゅんじゅうくようでん)二冊

春秋公羊伝
春秋公羊伝

 駿河御譲本とは、家康の遺命により駿府文庫本を江戸をはじめ尾張、紀州、水戸の御三家に分賜した書物をいう。 本書は尾張家の御譲本で、明版としても貴重である。表紙見返しに「駿河御譲、公羊伝、穀梁伝四冊、唐本、但し公羊二冊、穀梁二冊」と墨書した貼紙があり、巻首右上には尾張家の蔵書印「御本」(3.5 ×3.5cm)の朱印、その左に払下げを示す「拂」印、そして右下には「新村家蔵」の印が押されている。
 維新前後に民間に流出した公羊(くよう)・穀梁(こくりょう)伝合わせて四冊を新村出博士が入手、所蔵されていたが、大正14年3月、静岡県立葵文庫の開館に際して、公羊伝二冊を寄贈されたものである。
 因みに『春秋公羊伝』とは、孔子の著した歴史書『春秋』に公羊高(くようこう)なる人物が注釈を加えたものである。

<参考文献>
    川瀬一馬「駿河御譲本の研究」(Z02−17『書誌学』第3,第4号)
     020−120『典籍叢談』(新村出、大正14.9)所収「葵文庫と駿河文庫」

 
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