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図書館員の棚から3冊(第109回)(2018/05/11)


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図書館員の本棚拝見!
このコーナーでは、あなたの町の図書館員が本や雑誌、漫画を御紹介します。
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■第109回目は 静岡県立中央図書館 小松純代 さん です。■


 風薫る5月というほどに爽やかなイメージの5月ですが、何かと変化の多い4月が去り、少し疲れを感じる季節でもあります。私自身毎年5月は、外が晴天でも内に籠り一息つくことが多いです。今回紹介する3冊は、そんな時書棚に隠れて私を待っていてくれる本たちです。

1 『猫 クラフト・エヴィング商会プレゼンツ』 
  (有馬 頼義/[ほか]著 中央公論新社 2004年)

 原本は今から50年以上も前の昭和の中頃に出された本です。それを吉田篤弘・吉田浩美による制作ユニット「クラフト・エヴィング商會」が自身の作品を加えて再出版しました。内容はその時代に活躍した作家たちの猫をテーマとした短編集です。井伏鱒二、壺井栄、寺田寅彦他8人の猫に寄せる思いがひっそり綴られています。一人ひとりの偉業の陰に猫ありなのかもしれません。客ぎらいの谷崎潤一郎は猫のしっぽを称賛して、「何にしてもその尾を以てする返事の仕方には、一種微妙な表現が籠ってゐて、声を出すのは面倒だけれども黙ってゐるのも余り無愛想であるから、ちょっとこんな方法で挨拶して置かうと云つたやうな(略)その簡単な動作に依つていとも巧みに示される」と語ります。
 人と暮らしを共にした猫の生き方は、今も昔も驚くほど変わらないような気がします。隣にいる人が文豪であれ凡人であれ、猫にとってはお構いなしなのでしょう。

2 『猫がドアをノックする』(岡野 薫子/著 草思社 1992年 
 
 著者は児童文学作家としてよく知られている岡野薫子さんです。代表作には『銀色ラッコのなみだ』があり、読んだことのある人も少なからずいらっしゃると思います。私も以前から岡野さんの動物に向ける眼差しに共感しておりましたので、躊躇なくこの本を手にしました。
 読み始めてすぐに気づいたことは、岡野さんが人の計り知れないことの多い猫社会に、猫の側から入ることを許された類まれな人であるということです。ここで語られる猫は、この地球で共存する生きものであることがまず前提にあります。親子何代にもわたりいっしょに暮らすようになった猫たちとの交流を、人目線・猫目線双方で記録しているのです。
 創作作家になる以前は、科学映画のシナリオライターをしていた著者ならではの文章と写真で、猫の魅力を再発見しました。猫のことはいくら書いても書ききることができないという著者は、以後続編を2冊出しています。


3 『さすらいのジェニー』 
  (ポール・ギャリコ/著 矢川 澄子/訳 大和書房 1983年) 

 
 ポール・ギャリコは20世紀に活躍したアメリカの作家で、『ポセイドン・アドベンチャー』などの作品で知られています。彼の暮しには常時猫が寄り添い、猫を主人公とした作品も多く出版されています。この本はその中の1冊で、ギャリコ自身一番気に入っていると語っていたようです。
 交通事故に遭い気がつけば白い猫となり家を追い出された少年ピーターと、彼を救った牝猫ジェニーとの旅物語です。裕福な暮らしをしていたピーターですが、両親にかまってもらえず孤独感を募らせていました。ジェニーは飼い猫として幸せな日々を送っていましたが、一家が引っ越す時置き去りにされ、以来人間に強い不信感を持っていました。そんな2人が出会い、命がけの旅が始まります。人間から猫になるためのレッスンをジェニーから受け旅を続けるうちに、ピーターは人間として成長していきます。その旅が読者にとっても、内界の旅になるのです。旅の詳細が気になる方は、是非本を手に取ってみてください。


 次回は 静岡県立中央図書館 永井満美 さん です。

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