図書館員の棚から3冊(第94回)(2017/09/22)
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■第93回目は 袋井市立袋井図書館 鈴木 あかね さん です。■袋井市立図書館で作成しました幼年童話リスト「この本よんだよ どの本よもうか~読んであげたい55のおはなし」の中から3冊を紹介したいと思います。幼稚園・年中児頃~小学生低学年ぐらいの子どもさんにおうちの方が声に出して読んであげてほしい本です。1 『こぐまのくまくん』 世界傑作童話シリーズ はじめてよむどうわ 1 (E・H・ミナリック/ぶん モーリス・センダック/え まつおかきょうこ/やく 福音館書店 1980年) 雪が降って寒くて、「なにか着るものがほしい」というこぐまのくまくんに、お母さんぐまは、ぼうし、オーバー、ズボンを次々にこしらえます。加えて、「毛皮がほしい」というくまくんに、お母さんは着せた服を全て脱がせ、「ほうら、毛皮のマントならここにありますよ」と言いました。“くまくんとけがわのマント”など、やさしい内容の短いお話が4話入っています。 どのお話も、お母さんぐまのくまくんへのまなざしが温かく、小さい子に読んであげたい物語です。 センダックの絵も繊細で美しく、くまくんの姿を情愛豊かに描いています。 続編に『かえってきたおとうさん』『くまくんのおともだち』『だいじなとどけもの』『おじいちゃんとおばあちゃん』があります。 2 『おはようスーちゃん』 (ジョーン・G.ロビンソン/作・絵 中川 李枝子/訳 アリス館 2007年) 土曜日の午後、おでかけ中のママをびっくりさせようと、お留守番のあいだにパパは水道の蛇口の修理と門のペンキの塗り替え、スーちゃんは花瓶敷きを作って花をテーブルに飾り、「ペンキぬりたて」の貼り紙を書きました。そして、帰ってきたママが最高にびっくりしたのは、スーちゃんがもうお風呂を済ませ、パジャマを服の中に着込んでいたのを知ったときでした。「おるすばん」ほか、短いお話8話入りです。 小さいスーちゃんは、優しいパパ・ママと一緒にまわりのものごとに優しくあたたかく接します。幸せな結末に心温まります。 3 『ラベンダーのくつ アリスン・アトリーおはなし集』 世界傑作童話シリーズ (アリスン・アトリー/さく 松野 正子/やく 大島 英太郎/え 福音館書店 1998年) 働き者の賢いメンドリの話が2編と、いたずら子ウサギ、チム・ラビットの話が2編収められた短いお話集です。鳥小屋から出て冒険に出かけ、だまされてキツネの家に連れていかれたメンドリが、友達の力と本で読んだカウスリップの花の魔法を使って逃げ出す第1編と、三匹の子ギツネが、父さんギツネから聞いた「小さいキツネのシンデレラ」の話の続きをメンドリに聞いて、ラベンダーのくつに夢中になる第2編は、続けて読むと、キツネとメンドリの静かなかけひきが楽しめます。 後半2編は、チム・ラビットが凧に乗ったり風と遊んだりする、愉快な冒険ごっこの物語です。 次回は 長泉町民図書館の 倉持 樹 さん、庄田 理恵 さん、杉山 絢菜 さん です。 |