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図書館員の棚から3冊(第72回)(2016/10/28)


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図書館員の棚から3冊(第72回)(2016/10/28)

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図書館員の本棚拝見!
このコーナーでは、あなたの町の図書館員が本や雑誌、漫画を御紹介します。
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■第72回目は 菊川市立図書館菊川文庫 杉山 めぐみ さん です。■

  
1 『キルギスの誘拐結婚』
  (林 典子/写真・文 日経ナショナルジオグラフィック社 2014年6月)
 中国の東隣に位置するキルギスでは、一種の『慣習』として「誘拐結婚」が社会に根付いているそうです。
 ある日、町を歩いていたら一目ぼれされた相手やその仲間に突然誘拐され、結婚を承諾させられる、というのです。
 「受け入れられない」と拒絶しても、慣習で逃れられず、自ら命を落とす女性もいるそうです。
 国が違うので、一概に批判はできない「慣習」ではありますが、国際社会の中でこのような慣習がある国も存在しているのだ、と知っておくことも大事かと思い、紹介させていただきました。
 被害女性の苦悩する姿だけでなく、不本意ながら結婚を承諾させられたものの、必ず幸せになってみせると覚悟を決めた女性たちの強さも伝わる写真集です。


2 『洞窟の不思議とそこに生息する生き物たち』
  (洞窟サイエンス編集委員会 誠文堂新光社 2009年3月)
 洞窟といえば鍾乳洞を思い浮かべる方が多いと思いますが、魅力はそれだけではありません。洞窟ならではの奇石や珍しい生き物など、美しい写真が豊富に掲載されています。
 浜松市の竜ヶ岩洞の「龍の腹」や「鳳凰の間」の様子が迫力のある大きな写真で取り上げられています!本物の魅力に触れてみたいなと思わせる一冊です。

 
3 『世の中への扉 弁当づくりで身につく力』
  (竹下 和男/著 講談社 201210月)

 『ひとりでお弁当を作ったら、いろんなことが見えてきた!』
 この言葉は「弁当の日」の取り組みをしている学校の生徒さんの言葉を一部抜粋したものです。
 「弁当の日」とは、小・中学生さんがお弁当の献立の考案から買出しや調理、片付けまで全てひとりで行うというものです。
 作ったお弁当を学校へ持参し、お弁当の時間に工夫したところなどを発表するのです。
 この本の作者は、「弁当の日」の取り組みを考案した学校の先生です。
 学習指導要領にも載っていないようなこの取組には、さまざまな家庭がある現代、誰が調理を教えるのか?等、当然ながら賛否両論あったそうです。
 最初は手探りで始まった取組でしたが、子どもたちの中には「食べ物を作った人、調理した人に感謝できるようになったよ」「お母さんありがとう」など発言する子が徐々に現れ始めたそうです。
 この「弁当の日」を通じて、親子での会話が増えるなど、新しい食育の一端として、また自立への第一歩として定着し始めているそうです。
 最後に、「弁当の日」第一期生の方からのコメントの中で、印象に残った箇所を紹介させていただきます。
 『子どものときは、なぜこの日が始まったかはわからなかった。けれど、おとなになってひとり暮らしをしてから、今の食生活の原点が「弁当の日」だと、自信をもっていえます。』


          次回は 浜松市立舞阪図書館の皆さん です。 

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