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図書館員の棚から3冊(第60回)(2016/04/08)

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図書館員の本棚拝見!
このコーナーでは、あなたの町の図書館員が本や雑誌、漫画を御紹介します。
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■第60回目は 静岡福祉大学附属図書館 進藤 令子 さん です。■

 
 私が勤務する静岡福祉大学附属図書館では、平成2825日に、世代を超えて一緒に読書を楽しめる「キンダー文庫」を開設しました。
 幅広い世代の皆さんに親しまれているやなせたかしさんの作品や長年読み継がれている保育絵雑誌「キンダーブック」等を展示しています。
 今回は、公私ともにやなせたかしさんのファンという立場から、やなせさんの原点である3冊をご紹介したいと思います。

 『十二の真珠』 (やなせたかし著 復刊ドットコム 2012)

 「アンパンマン」が子ども向けの絵本として初登場したのは、1973年、フレーベル館の『キンダーおはなしえほん』の中でしたが、実はその前に「アンパンマン」の基になった元祖「アンパンマン」のお話が大人向け童話集『十二の真珠』(山梨シルクセンター1970)に載っています。
 この「アンパンマン」は、太ったおじさんで、戦場の空をよたよた飛んでいて、空腹の子どもたちに自分の顔を食べさせるのではなく、あんパンを配っていたのです。
 けっしてかっこいいとはいえない意外なヒーロー像にびっくりするかもしれません。
 また、この本には、やなせさんのその後の代表作である『チリンの鈴』、『ジャンボとバルー』、『キュラキュラの血』、『クシャラ姫』等が収録され、やなせさんの作品の原点と言えましょう。
 1970年に出版された『十二の真珠』は、長い間絶版となっていましたが、2012年復刊ドットコムから復刊されたことで、手に入れることが出来るようになり、良かったです。
 収録されている『天使チオバラニ』『バラの花とジョー』『風の歌』等の作品を読んでみてください。やなせさんが読者に伝えたかった想い(思いやりの心、困っている人を助けける心)が、多くの皆さんに作品をとおして、わかりやすく伝わってくるのではないでしょうか。
 

2 『やさしいライオン』 (やなせたかし著 フレーベル館 1975)

 この本をご存じの方は多いかと思います。1967年ラジオドラマとして発表された『やさしいライオン』は、みなしごライオンのブルブルと育ての親であるめす犬のムクムクの親子の愛情物語です。1969年『キンダーおはなしえほん』(フレーベル館)で初めて絵本化され、その後、映画、紙芝居等大きな反響を呼び、やなせさんの代表作品となりました。
 『やさしいライオン』がなければ、「アンパンマン」の絵本化がなかったのではないかと言われるほど、やなせさんの創作活動の方向を決定づけた作品です。
 本来ならば親子関係が成立しないはずの敵味方であるライオンと犬が、強い心のきずなで結ばれることで、お互いを思いやる心の大切さを、子どもたちにもわかりやすく伝えてくれています。
 最後には、動物にとっては相反する立場のライフルをもった警官隊の発砲により、ブルブルとムクムクの幸せが壊されてしまいます。
 私たちに真の正義とは何なのかを問いかける絵本です。
 この作品は、絵本、紙芝居、ミュージカル、映画化と様々な形で発表されていますが、どの作品でも親子のきずなは変わらずに描かれています。その後、『やさしいライオン』の想いは、『チリンのすず』、そしてやなせさんを代表する「アンパンマン」へと繋がっていきます。
 

3 あんぱんまん』月刊キンダーおはなしえほん (やなせたかし著 フレーベル館 1973年 1976年市販)

 「アンパンマン」は当初ミュージカルや大人向けメルヘンとして描かれていましたが、1973年に初めて、子ども向けに、幼稚園・保育園向けの月刊キンダーおはなし絵本の中に平仮名の「あんぱんまん」として登場しました。
 顔があんパンで、自分の顔を差し出して、空腹の人を助ける「あんぱんまん」(当時の「ジャムおじさん」は「パンつくりのおじさん」と呼ばれていました)でしたが、顔をちぎって食べさせることが、教育上良くないという意見があり、大人たちには不評だったそうです。それでも、次第に子どもたちの支持を得て、絵本出版後10年を過ぎた頃、1988年テレビアニメ『それいけ!アンパンマン』の放映が開始され、現在まで続く長寿番組として大ヒットとなりました。
 「アンパンマン」の初登場は、1973年やなせさん54歳の時であり、テレビ放映され子どもたちの大きな支持を得たのは、1989年やなせさん69歳の時です。
 やなせさんの子ども時代の境遇、戦争体験、若くして戦死した弟への想いが、「アンパンマン」をとおして、私たちに「弱い人、困っている人を助ける」心をもつ事の大切さを訴えています。
 それがシンプルに伝わってくるのが、この平仮名の「あんぱんまん」という最初の絵本なのです。


   次回は 静岡県総合教育センター図書室 水井 千保子 さん です。 


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