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図書館員の棚から3冊(第55回)(2016/01/22)


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図書館員の棚から3冊(第55回)(2016/01/22)

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図書館員の本棚拝見!
このコーナーでは、あなたの町の図書館員が本や雑誌、漫画を御紹介します。
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■第55回目は 県立中央図書館 田辺 章 さん です。■


 静岡県立中央図書館総務課の田辺です。
  図書館の職員と言っても専門職ではなく、皆さんのようにカッチリした紹介文が書けません。気楽に読み流してください

1.『ちがうねん』(ジョン・クラッセン/作 長谷川義史/訳 クレヨンハウス 2012年)

  ある美術館で開催されていた国際絵本の原画展を見に行ったとき、販売コーナーでたまたま見かけて、タイトルと絵に惹かれて手に取ってみました。

  大きな魚がお気に入りの帽子をなくしてしまい、探し始めました。実は、大きな魚が寝ている間に小さな魚が帽子を盗んでしまっていたのですが…。

 関西弁の絵本というのは、それまで見たことがなかったので、斬新でした。そして、ちょっとブラックな内容。関西弁だからこそ、その内容と相まって、こんなにもインパクトのある絵本になっているんだと思います。英文を関西弁で翻訳するという、その発想にも感心しました。関西弁じゃなかったら、面白さも半減してしまいそうです。
 同じ作者、翻訳者による『どこいったん』もあって、こちらもお勧めです。

  さて、次回作はどんなタイトルになるんやろ…。


2. 『京都男子 とっておきの町あるき』(ワード/編著、平凡社、2014年)

  京都、好きですか?僕は大好きです!!

  寺社巡りはもちろん、季節ごとのお祭りや行事、博物館、美術館などいろいろ見て回りますが、いつ行っても、何度行っても、飽きることはありません。時々、あまり大きな目的もなく、ふらっと行ってしまうこともあります。

 そんな僕の最近の旅の楽しみ方は、「住んでいるように旅をする。」です。この本の帯にも、「暮らすように楽しむ。」と書いてありました。この本は、まるで京都に住んでいるかのような気分になれる場所を教えてくれる本です。

  きっちりとしたスケジュールで効率良く観光地を巡る計画を立てて、その通りに動くのも楽しいのですが、ゆったりと、のんびりと、その土地の空気感を楽しむ旅もいいものです。地元の人に溶け込んで、観光客(自分もそうだけど)に道を聞かれたりすれば、テンションも上がります。商店街をぶらぶら歩いたり、細い路地に迷い込んでみたり。そんな時、新しい発見があったりもします。

  でも、結局、この本で行きたいところを調べて、計画を立ててしまうのは、性格なので仕方ないのです(笑)

 
3.『リアル猟師奮闘記 山賊ダイアリー 1~6』(岡本健太郎/著 講談社 2011年~)

  自分で仕留めた獲物を、自分でさばいて食べる。

 釣った魚を自分でさばくくらいだったら、やっている人は多いと思いますが、釣りではなく、山で獲ってきた獲物を、という人は少ないのではないでしょうか?この漫画の作者は、猟銃を持って山に入り、鳥や獣を仕留めて、自分で捌いて、料理して食べます。アパートのベランダで鳥の羽根をむしったり、時には、罠を仕掛けて鹿や猪を捕まえ、仲間の猟師と解体したりもします。好奇心が旺盛で、「これ食べられるかな?」とカラスを食べたりもします(うえっ…)

 自然の中で遊ぶことは好きだけど、猟なんて、自分にはできない。だけど、最近のジビエブームで、興味はある(食べるところだけ!)。そんな人にお勧めです。

 そして、この漫画を読んで、自分は他の生き物の命を頂いて生きているんだ、ということをあらためて考えてみるのもいいと思います。

 

                 次回は 富士宮市立中央図書館 高瀬 一樹 さん です。 

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