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図書館員の棚から3冊(第44回)(2015/07/24)

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図書館員の本棚拝見!
このコーナーでは、あなたの町の図書館員が本や雑誌、漫画を御紹介します。
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■第44回目は 森町立図書館のみなさん です。■

 
1.『日本の感性が世界を変える  言語生態学的文明論」』
 (鈴木孝夫/著 新潮社  2014年9月刊)
 論争より情緒、対決ではなく融和。「日本らしさ」が今こそ必要。
 世界の危機を見据え、卓抜な発想で語られる日本人の使命。
 日本語と日本文化が持つ力とはたとえばどういうことなのか。
 とても興味深い現象が紹介されていく。著者が名づけた現象「タタミゼ効果」、
外国の人が日本語を使い続けると、自分で気づいたとき愕然とするほど、いつの間にか柔らかい人、相手を立てるような人になっていたり、やたらと「済みません」と言ったり、すぐに謝ったりしてしまうのです。と語る。
 日本は「生きとし生けるもの」との共感を未だ保持する唯一の文明国であり、宗教的にも日本人の圧倒的多数は、一神教の持つ他者攻撃性を本質的に欠く、神道や仏教的な世界観を失わずにもっていて、文化的には対立抗争を好まぬ柔らかな心性、「和をもって貴しとなす」の伝統を、まだ完全には失っていない、と語る。
 著者は、日本が、世界の大問題「環境破壊と宗教対立」に直面している人類社会が今後進むべき正しい道を示すことのできる資質と、二世紀半にわたる鎖国の、対外戦争が無く、持続可能で、理想に近い循環社会であった江戸時代の豊富な経験を持つ、教導者の立場に立っているのだと主張し、日本の根本にある日本型文明の感性を世界に伝え教え、人類の方向性として積極的に指し示すことが21世紀に求められていると語る。
 人間は本来的に賢くもあるが愚かでもあるという矛盾を孕んだ、悲劇的な運命を背負った動物でありますが、やはり人類は賢かったと言える日の来ることを、
著者とともに願うのです。

2.『本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません」』
(香月 美夜/著 TOブックス 2015年2月刊)
  「本はたしかに好きですが…。」
 図書館に勤めている人は、どなたも「本好き」だと私は思います。
 本を一日中読んで過ごすことは、贅沢な時間の使い方だと私も思います。
 でも、同じ思いでも、ここまで極端な人にはなりたくないと私は思います。
 『本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~』この話の主人公は、異世界で貧弱な体を持つことになった元日本人の図書館司書。
前世の死因は本による圧死、再び生きることになった異世界は本は高価なもので、庶民は持つことができないという世界。本が気軽に読めない世界…ならば、本を作ろう!と動き出す主人公。しかし、主人公の身体は貧弱で…。異世界トリップのお話になります。
 「本好き」な私は、このお話を読むと他人から見ると自分はこんなふうに見えているのかと落ち込んだり、本が読めるようにがんばる主人公を応援したり、と夢中に読みました。「本好き」な方におすすめです。


3.『晩年の子供』(山田 詠美/著 講談社 1991年11月刊)
 20年ほど前に新館をオープンした頃、当時の館長から「山田詠美って言うと、
黒人男性との交流や性的なことばかりを書く変な作家と思っていないかね?」と
紹介されたのが、この本でした。館長は、嬉々としてページをめくり、あとがきの「幼い頃、父の転勤で、いくつかの地方都市に移り住んだ。(中略)特に思い出深いのは、静岡県の磐田市に住んでいた数年間である。私は、ここで出会ったどんな瑣末な事柄をも一生忘れることはないだろう。(後略)」を朗読し、「あの山田詠美は、子どもの頃磐田に住んでいて、忘れることはないと言っているんだよ」と、とても感動した様子で教えてくれました。
 この本は短編集で、ある作品を読んだとき、中に漂う空気が自分の子ども時代を思い出させるものがありました。彼女の代表作ではありませんが、身近に感じるきっかけとなった本として今回紹介します。ほぼ同じ時代に同じ静岡県西部の磐周地区で子ども時代を過ごした私にとって、もしかしたら、どこかですれ違っていたかもしれない山田詠美さんは、心密かに応援している作家の一人です。
                              
        次回は 静岡県立中央図書館の 所 康俊 さん です。

 
※8月第1週のメルマガはお休みします。次回の配信は8月28日です。

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