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図書館員の棚から3冊(第37回)

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 図書館員の本棚拝見!
 このコーナーでは、あなたの町の図書館員が本や雑誌、漫画をご紹介します。
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■第37回目は 下田市立図書館の皆さん です。■

 
1.『吸血鬼ハンター“D”』
 (菊池秀行/著 朝日ソノラマ 1983年)

 「西暦12090年」、「貴族(=吸血鬼)の支配」という設定に度肝を抜かれたのが始まりです。種としての滅びの時を迎えても、なお人類を脅かす「貴族」。ずば抜けた力と技を用いてそれを狩る「ハンター」。貴族と人間との間に生まれた「ダンピール」であり、左手に人面疽を宿した凄腕の吸血鬼ハンター“D”。
 彼は貴族、人間双方の業を負いつつ、自らを生み出した「神祖」を追い続ける。
 また、虐げられる人間同士も、時に互いにいがみ合い、争い、その結果、常に排斥されるのは貴族に直接傷つけられた被害者たち。Dの雇い主である姉弟に「お前たちの代わりに家族が襲われた」と詰め寄る村人に、Dは告げる。「黙っていても“貴族”は滅ぶ。滅ぶしかないもののために、幾たび幾人、同胞を犠牲にするつもりだ?それが“人間”の心的水準ならば、断固としてこの娘(ひと)は渡さん。(中略)人間、貴族、ともに相手だ。いかな凄絶な屍山血河をつくろうともこの姉弟(きょうだい)はおれが守ってみせるー不服か?」
 ゴシックホラー、ウエスタン、ホラーアクション、SFファンタジーが結合した独特の世界観は好みが分かれるところかもしれません。シリーズは現在も続いており、残念ながら悲しい結末を迎えることが多いのですが、だからこそ作品中での、Dに微笑を浮かべさせる出来事にはほっとさせられます。Dの旅の結末を見届けるのはいつになるのでしょう。
 「DはーDは、○○○○○のDですの?」…。(朝比奈 誠)
 
2.『日本の歴史をよみなおす』
 
(網野善彦/著 筑摩書房 1991年)

 中世の絵巻物を眺めるのがとても好きです。特に市井の人々を描いた場面は生き生きとして魅力的なのですが、そこに描かれた人々のしぐさや装いなどが何を意味しているのか、どういう身分の人がするものなのかなど、現代を生きる私の感覚では分からないことがたくさんあります。そんな私が絵巻物に興味を持つようになったきっかけがこの本でした。
 著者網野氏は、15世紀以降の社会のあり方は現代の常識である程度理解できるが、13世紀以前は私たちの常識では理解の及ばないかなり異質な社会であり、自身の研究から14世紀の南北朝動乱期あたりに大きな転換が起こったようだ、と考えています。そこに深く関わっているのが「穢れ」に対する意識、また人ならぬ力に対する「畏怖」という人々の感覚であるとういう視点から、日本史をやさしく丁寧に読み解いていきます。そして、歴史を理解する上での重要な史料として絵巻物などの絵画史料を豊富に使っていて、私はその世界にすっかり魅了されてしまったのです。中でも『一遍聖絵』という絵巻物はおもしろく、様々な身分の人々が登場する上に表情まで細かく描き分けられていて、この人は何をしているところ?何者?と気になることだらけです。(答えは網野氏が解説してくれています)
 若い人向けにわかりやすく書かれたものなので研究書のような堅苦しさはまるでなく、とても読みやすい一冊だと思います。(新谷 あや)

3.『おしいれのぼうけん』
 (ふるたたるひ・だばたせいいち/さく 童心社 197411月) 

 ここ数年、本を全く読んでおらず、オススメできる本というものがありそうにないので、昔好きだった絵本を借りて読みかえしてみました。ロングセラー絵本の『おしいれのぼうけん』です。先生の言うことを聞かなかった園児二人が、罰として入れられた押入れの中で悪役のねずみばあさんに追いかけられながら大冒険するというお話。改めて読んでみると、子ども特有の頑固さや、素直さがよく出ていて、二人が友情を深めていく過程も子どもに分かりやすいように簡単な言葉で、だけど、しっかりと描いてあり驚きました。
 ねずみばあさんの怖さも健在で、このねずみばあさんの怖さと、これから展開される大冒険への期待と不安が混在した感覚を少し思い出しました。この感情の混在する感覚が子どもたちに長く愛される理由なのでしょうか、さらに、先生の悩みや成長も描いていて、大人が読んでも子どもとの接し方について考えさせるものになっていると思います。
 私も子どもを預かり教えることをしているので、この先生の悩み、とても理解でき共感できる部分でした。
 少し長めの絵本ですが、子どもが一人で読んでも、親が一緒に読んでもよい内容の絵本だと思います。(糸賀 貢三)


  次回は 掛川市立中央図書館 前田 宏希 さん です。
 

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