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図書館員の棚から3冊(第28回)


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図書館員の棚から3冊(第28回)

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 図書館員の本棚拝見!
 このコーナーでは、あなたの町の図書館員が本や雑誌、漫画をご紹介します。
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■第28回目は 静岡県議会図書室のみなさん です。


1. 『自分では気づかない、ココロの盲点』 
  (池谷裕二/著 朝日出版社 201312月)

 本書には、「街で道に迷いました。近くに二人の男がいます。どちらに道を訊く人が多いでしょうか。①さわやかな顔立ちの男性 ②ボサボサ髪で無精ヒゲの男性」というような設問が30掲載されていて、読者はそれらについてどう思うのかを考えることになります。それらの答えは、“認知バイアス”と呼ばれる脳のクセを使って解説されています。迷信だと思っていたことや、社会的通念となっているものなどにも、科学的に証明され得ることがあるということが記されているのです。
 私は、今まで「晴れ女です。」と、ことあるごとに言ってきましたが、それもどうやら“確証バイアス”というもので説明できるとのこと。日常生活の何でもない行動が、脳科学で説明できるらしいとわかったことは、私にとって新鮮なことでした。
 また、この本の巻末には代表的な認知バイアスが183掲載されていますので、自分の行動の中に当てはまるものがないかなあなどと考えてみることもできます。
 作者は脳研究者で現職は東京大学大学院教授、藤枝市生まれとのことで親近感を覚えました。あなたもこの本を読んで脳のクセを知ってみませんか?
                                       (堀池 直美)

 
2.『嫌われる勇気-自己啓発の源流「アドラー」の教え』 
  (岸見一郎・古賀史建/著 ダイヤモンド社 201312月)

 「嫌われる勇気」…まずタイトルに惹かれ、手にとってみました。
 心理学者アドラーの思想を説く哲人に対して、血気盛んな青年がありとあらゆる角度から疑問をなげかけます。青年が読者になりかわって疑問をぶつけ、そこに哲人がこたえていく対話スタイル。「すべての悩みは対人関係の悩みである」と、哲人は対人関係を改善するための、シンプルで具体的な方策を示していきます。
 今まで自分が思っていたことを根底から覆すようなアドラーの思想に、大きな衝撃を受け、納得させられ、この本を作ってくれてありがとうという気持ちにさえなりました。
 職場や学校・家庭内で、誰もが直面する人間関係の悩み。他人の期待を満たそうとしたり人を傷つけまいとして、言いたいことがあっても伝えることができず、自分が本当にしたいことを断念してしまう人。他人と自分を比較して劣等感に苛まれ自己嫌悪に陥ってしまう人は少なくないと思います。そんな人にお勧めの一書。
 アドラーの思想を、自分のものとして実践していくのはそう簡単なことではないけれど、今までよりすこし楽に、よい人間関係を築いていけそうな気がします。                            
                                     (藤元 勢津子)




3.『朝昼夕3つのことを心がければOK!あなたの人生を変える睡眠の法則』(菅原洋平/著 自由国民社 20129月)

 睡眠には十分気を使っているつもりなのになぜかスッキリ起きられない、家族の寝起きが悪くて困っているというような悩みを持っている方は意外と多いのではないでしょうか。 
 この本には、科学的な法則のもと、睡眠をより質の高いものにする方法が書かれています。良い睡眠がやる気アップにもつながっていくというその方法は、①朝5分、光を見てメラトニンを減らし、脳を覚醒させる(光の法則)②昼5分、目を閉じて脳の睡眠物質を減らす(負債の法則)③夕方5分、姿勢を良くして体温を上げ、眠り始めの体温を下げる(体温の法則)というものです。
 習慣はなかなか変えられないものかもしれませんが、取り組む価値は大いにありそうだと思いました。人間の脳の仕組みにも感動する、読んで納得の一冊です。(小花 恵子)


        次回は 袋井市立袋井図書館 石間 文子 さん です。
   
 

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