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図書館員の棚から3冊(第19回)


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図書館員の棚から3冊(第19回)

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 図書館員の本棚拝見!
 このコーナーでは、あなたの町の図書館員が本や雑誌、漫画をご紹介します。
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■第19回目は 静岡県総合教育センター図書室 飯島 美智子 さん です。


 図書室で図書業務に携わっていると、いろいろな方から本を紹介されます。
薦められた本を読むことは、実に楽しいです。何が楽しいのかというと、本の中身もさることながら、本を読むことで薦めてくれた人のことを知ることができるからです。薦められた本を読むことで、その本の内容プラス薦めた人の考えや価値観に触れることができます。そしてさらに、自分の考えや価値観と比べて共感したり、改めて自分を見つめ直したりすることができるのです。
 人から直接薦められた本を読む、という読書は、本の内容や薦めた人の考え等を自分の中で咀嚼した後に、自分が考えたことについて交流するという、読書の新しい楽しみ方を教えてくれます。

 それでは、私が最近薦められた本を、『棚から3冊』御紹介します。


 1.『本は、これから』 (池澤夏樹/編 岩波新書 2010年)
                                        
 総合教育センターでは、センター所員が本に親しみ、知識を深めるだけでなく、本を介して所員同士がコミュニケーションを取ることを目的に、「所員の読書推進」活動をしています。昨年度は各課の所員がそれぞれお薦めする本をリストアップし、その数はおよそ200冊になりました。この本はその中の1冊です。総合教育センター図書室のカウンター業務をしている生涯学習アドバイザーの紹介です。
 あなたにとって本とはいったい何か。書店、図書館、作家、編集者といった様々な立場の鋭いアンテナの持ち主が、この問いに応える37人のエッセイ集です。「読前・読中・読後という読書行為」や、「納得できる何冊かの本と、ほどほどに出会える才能」といったくだりを読むと、これからの自分の読書の仕方について考えさせられます。


2.『二分間の冒険』 (岡田 淳/著 偕成社文庫 1991年) 

 こちらもやはり、総合教育センターのお薦め本リストにある本です。静岡文化芸術大学・常葉大学講師の林容子先生の紹介です。林先生が浜松の小学校で教員をされていたころ、読み聞かせをした本で、子どもたちに大人気だったそうです。
 体育館を抜け出した6年生の悟は、黒猫ダレカと不思議な約束をし、竜と闘う大冒険に出ます。『見えないけれど、世界でいちばんたしかなもの』を探して・・・
 ページをめくる度に、小学生に返ったようにどきどきしながら読み進めることができます。絵本に親しんだ子どもが、小学校の3年生くらいから、少しずつ長い話の本に手を伸ばすようになるきっかけにもなります。

 
3.『メコン・黄金水道を行く』 (椎名 誠/著 集英社文庫 2008年)

 これは、家族に薦められた本です。旅をこよなく愛する筆者の思い、そして、同じく旅を愛してやまない、薦めた人の気持ちを、この本を読んで十分理解することができました。なんといっても、この本からはメコン河流域に漂う、ゆったりとした空気が伝わってきます。その空気は日本では味わうことのできないものであり、読書によって、旅の疑似体験ができることのすばらしさを実感させられた1冊です。
 灼熱の太陽の照りつける暑さや、トカゲの干物の匂いまで伝わってきます。あなたも、メコン河流域の旅に出てみませんか。


    
         次回は静岡市立西奈図書館 飯田 幸 さんです。

    

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