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図書館員の棚から3冊(第8回)

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 図書館員の本棚拝見!
 このコーナーでは、あなたの町の図書館員が本や雑誌、漫画をご紹介します。
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■第8回目は 裾野市立鈴木図書館 岩田 里美 さん です。


 本好き、放っておくと本を読んでいると言われている、どうやら読書家らしい自分。
 そうなのかな?と疑問符がつくところだが、おすすめと言われるとそれなりに答えられるようになってきた。
 今まで読んできた中で、と思い返すと数十冊。その中から3冊選ぶなら、と、影響を受けた本、面白い本、最近読んで面白かった本を挙げてみました。
ライトノベルだけと思われがちですが、読んでみると奥が深いと思ってしまうところが多いのです。


◆『ロードス島戦記』 KADOKAWA(角川スニーカー文庫)
             水野良/著、1988年刊行/新装版 2013年刊行

 ライトノベルの代名詞、日本ファンタジーの金字塔と呼ばれる作品で、その名に恥じないすごい小説です。
 聖騎士の座を捨て、自由騎士となったパーンと、光を探して森を飛び出したハイエルフ・ディードリット。
 過去の悲劇からロードスの歴史を常に裏から操り、たった一人で物語すべての事件に暗躍し、白でも黒でもない灰色に染め上げてきた『灰色の魔女』カーラ。その力に魅入られ、失った時間を取り戻そうとする仲間の一人・ウッドチャック。仲間を取り戻し、カーラの思惑を阻止するために、自分のやり方で戦うパーン。
 カーラの思惑を阻止していく中でパーンが出会う人や、敵対する人物たちが、より物語に引き込ませてしまう。
 傭兵から砂漠の国フレイムを建国したカシューは、王の立場でありながら一介の戦士であるパーンを理解し、随所で力を貸してくれる器の大きさ。時に暴走しがちになるパーンを諫め、手を貸してくれる北の賢者・スレインや、歴史の流れからヴァリスの王となった幼馴染のエト。
 また敵対する暗黒騎士・アシュラムは圧倒的な強さを持ち、多くの部下を引き付けてしまう魅力的な人物。
 彼らに共通しているのは未来を自分の意志で選ぶということ。 カーラの信じる一人の意志で争いが起こる不安定な平和は違うと、自分の生き方で否定し、未来をつかむのだと示しています。


◆『スレイヤーズ』 KADOKAWA(富士見ファンタジア文庫) 
            神坂一/著l、1988年刊行

 『99%無理でも、1%の可能性があるならそれはゼロじゃない。その1%にかけて全力で挑めば、ゼロはゼロでなくなる。』
 長編版1巻終盤での主人公・リナのセリフは、彼女のあきらめない強さ。
 無茶苦茶な二つ名で恐れられている天才魔導士リナ。やることなすことが全てスケールが大きすぎるので、周りがそのたびに被害を受けてしまうだけなのだ。
 その脇を固める仲間たちは王道からかけ離れた人物で、剣は天才でも記憶力に最大の難ありのガウリィ。魔術の実験で合成人間にされてしまった悲劇の過去を持った、でもおちゃめな魔法剣士のゼルガディスに魔法王国の第二王女で正義暴走のアメリアといった超個性的な人物。
 彼らがいるから、なぜかリナがまともに見えてしまうのも面白い。
 コメディたっぷりの波乱万丈を突き抜けた現実を、底抜けの明るさと強さで乗り越えていくリナの姿が素直にかっこいい。


◆『銀の匙―silver spoon』小学館、荒川弘/著、 2010年刊行

 『鋼の錬金術師』の作者が、マンガ大賞を受賞した、北海道の農業高校を舞台にした作品。
 進学に挫折して、農業高校へ逃げてきた主人公・八軒。
 寮がある、農業高校なら勉強で一番になれるという理由で酪農科学科に入学したはいいが、毎回受けるカルチャーショックの数々。
 都会育ちで農業無縁で育った八軒がそのたび驚いたりするのが面白い。八軒と同じ農業に携わってない読者も一緒に驚く内容です。
 けれど、新鮮な野菜や手をかけて作った食品のおいしさの陰で、生産効率が悪いから、と食用肉になる鶏や三か月で肉やベーコンにされてしまう豚。
 経済動物と言ってしまえば簡単ですが、実際に育てて出荷まで面倒を見るのはかなりきつい。現実に厳しい環境にある農業や酪農、畜産の現状が書かれていることもあり、考えてしまいます。
 農家出身の同級生たちが当たり前として受け止めることを八軒はそのたびに悩みもがいて答えを出そうとするのがいいなと思う。
でも、そうしてきつい思いをして育てた豚の肉をベーコンや豚丼にしてありがたく食べてしまうのも一興。
 しかも、本当においしそうなので、急にピザや豚丼を食べたくなってしまいます。

   
       次回は 裾野市立鈴木図書館 多田 純子  さん です。
 

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