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リレーエッセー(第188回)


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リレーエッセー(第188回)

「こんな図書館にしたい」「私の出会った図書館員」「心に残るこの1冊」など、図書館員の“おもい”をリレー形式で紹介していきます。

■第188回目は   三島市立図書館 石田 康基 さんです。

「移動図書館ジンタ号」
 移動図書館って知っていますか?移動図書館とは、車に本を積み、市内の小学校や幼稚園、公園、老人ホームなど、主に図書館から遠い地域の方々に本を届ける仕事です。今回は三島市の移動図書館「ジンタ号」での出来事を紹介したいと思います。
 巡回先の1つに、山奥のステーションがあります。利用は少ないですが、図書館からはかなり離れているため、利用している方は月1回の巡回を毎回楽しみに待っていてくれています。その中にいつも欠かさず来ている女性の方がいま
した。ある日巡回に行くと、その方が若い女性と一緒に歩いてきます。聞くと「地元を離れていた孫娘が婿を連れて帰ってきたんですよ。」と少し照れくさそうにしながら言うのです。それからはお孫さんもジンタを利用するようになりました。
昨年には待望のひ孫も生まれ、家族みんなで来て本を借りていきます。近所の方も少し前に生まれた女の子を連れてよく来ているので、以前よりも賑やかになりました。それからは巡回に行くごとに成長していく子供たちを見るのも楽しみに
なっています。
 またあるところでは、お母さんと妹と一緒にいつも本を借りに来る男の子がいました。「ジンタ号」が新しくなり、4代目の車両に代わる時に「ジンタ号が代わったらお兄さんも代わっちゃいますか?」なんて可愛いことを行ってくれた彼。
昨年引っ越してしまったので、ジンタでは見なくなってしまいましたが、きっと引っ越し先で図書館を利用していることでしょう。
 外に出る仕事なので、このような色々な地域で色々な人に出会います。本を借りるだけでなく、ジンタに来て利用者同士が本を薦めあったり、話をしたりと、近所の方とのコミュニケーションの場になっているところもあります。暑い日や寒い日はなかなか大変ですが、とてもやりがいのある仕事ですので、これからもより良いものを届けられるように頑張りたいです。  
   
     次回は 吉田町立図書館 永田 緑 さんです。
 

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