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リレーエッセー(第184回)


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リレーエッセー(第184回)

「こんな図書館にしたい」「私の出会った図書館員」「心に残るこの1冊」など、図書館員の“おもい”をリレー形式で紹介していきます。

■第184回目は 吉田町立図書館  大石 菜穂子 さんです。

  赤ちゃんがこんなに早く動くものだということを私は知りませんでした。

私の姪は生後4ヶ月。「げんこつ山の、」と歌いだすと小さな掌を不器用に合わせて歌の続きをじっと待ちます。2、3度歌っただけで、姪っ子はもう歌と伴う動作を覚えてしまったようでした。その上で「早く続きを歌いなさいよ」と目で催促します。赤ちゃんは、転がっているだけとばかり思っていたのに、彼女はすでに自分の意志で手足を動かし、目で感情を語るのです。私は、なんだかまいった!と両手をあげたい気分でした。

そんな気分を、実は2年ほど前から毎月感じています。

吉田町では、ブックスタートの類似事業として「はじめての絵本教室」を開催しています。私は司書としてその教室に毎月参加していますが、やってくる赤ちゃんは小さな体でダイナミックに動きます。絵本に興味津々で、ページをめくったり、絵を見詰めてはしきりに母親に何かを訴えたり。どんなに小さく見えても、赤ちゃんは自分たちの世界を楽しんでいるのです。

絵本を通し、赤ちゃんの世界を覗くこの教室は、私にいつも新鮮で驚きに満ちた発見をもたらします。図書館の司書をやっていて、これだから楽しい、と心底思う瞬間なのです。

 
       次回は 吉田町立図書館 佐藤 奈々絵 さんです。

 

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