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リレーエッセー(第162回)

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リレーエッセー(第162回)

「こんな図書館にしたい」「私の出会った図書館員」「心に残るこの1冊」など、図書館員の“おもい”をリレー形式で紹介していきます。

■第162回目は 磐田市立福田図書館 村松 千津子さん です。

 カウンターから、外の様子や景色がよく見える。福田図書館は開架フロアーがガラス張りで、北向きの正面玄関から入ってすぐにカウンターがある。冬になると、来館者と共に遠州の風物詩であるからっ風がカウンターに吹き付ける。そんな図書館カウンターから見た、図書館員のつぶやきである。
 春、湾曲をした広いガラス窓を通して観る桜は、日本画のように見え、ダイナミックに大自然を描いて有名な、長谷川等伯の障壁画「桜図」を連想させるほど構図が似ている。時季ものなので10日程の観賞期間ではあるが、日本画の世界を図書館にいながら楽しむことができる。 
 秋、東側に隣接する幼稚園が焼いも大会を開く。子どもたちの歓声が響き渡り、煙のにおいが漂ってくる。次の幼稚園での読み聞かせは『おおきなおおきなおいも』にしようと決める。
 冬、北側に隣接する公民館で成人式が行われる。晴れ着で着飾った新成人たちの談笑する姿に目を惹かれる。その中にかつて利用者として見知った顔が数名いる。懐かしさと同時に彼らの現況に思いを馳せる。 
 ふと私は思う。市民の人たちは図書館に何を求め期待し、どう想って図書館を見ているのだろうかと。

             

  次回は 袋井市立袋井図書館 山本 義孝さん です。  

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