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リレーエッセー(第157回)

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リレーエッセー(第157回)

「こんな図書館にしたい」「私の出会った図書館員」「心に残るこの1冊」など、図書館員の“おもい”をリレー形式で紹介していきます。

■第157回目は 静岡市立中央図書館 野元洋平さん です。

 この10数年でインターネットが大分普及し、探している本を手早く便利に検索できるようになりました。ネット書店のページでは、検索した本の表紙や内容まで表示され、クリック一つで自宅まで本を届けてくれますし、図書館でもネット上での蔵書検索や予約といったサービスをやっています。
 しかし、便利な検索の利用が増える一方で、実際に本棚から本を探すことが減ってしまうのは寂しい気がします。検索では目的と一致した本としか出会うことができませんが、本棚に足を運ぶと偶然にも思いがけない本と出会うことがあるからです。
 本棚には、探している本以外のものもたくさん並んでいて、そこから目的の本を探すのは、確かに手間もかかり面倒です。でも、図書館でも書店でも、近くに並んでいる本の中には、著者であったり、テーマであったり、目的の本と何かしらの“つながり”をもった本があるはずです。その中に興味を惹く本があったら、試しにちょっと手に取ってみましょう。まあ、ハズレだったりすることもありますが、幸運にもアタリの本に出会うことができた時には、視野が広がったり、知識が深まったり、期待以上の多くのものを得ることができますし、単純に本との出会いに感動することもあります。
 検索で手早く目的の本だけを見つけるのも、もちろん便利でよいのですが、時間や心に余裕のある時は、ぜひとも本棚まで足を運んで、本を探してみて、本との出会いを楽しんでもらえると嬉しいです。図書館員として、たくさんの人と本との出会いを演出するような棚を目標に、頑張っておりますので……

 次回は 静岡市立西奈図書館長 永田 基士さん です。
  

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