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リレーエッセー(第156回)

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リレーエッセー(第156回)

「こんな図書館にしたい」「私の出会った図書館員」「心に残るこの1冊」など、図書館員の“おもい”をリレー形式で紹介していきます。

■第156回目は 静岡市立御幸町図書館 ピーシー めぐ美さん です。

 8月下旬から2週間、イギリスのコッツウォルズ地方へ旅(ドライブ)をしてきました。
 鉄道のあまり発達していないコッツウォルズ地方の小さな村々を訪れるには、車が一番便利です。まずは、コッツウォルズの首都といわれるサイレンセスター、アンティークショップで有名なテトベリー、ウィリアム・モリスが「イギリスで一番美しい村」と詠ったバイブリー村などなど。どの村でも、コッツウォルズで採れた石でできた「はちみつ色」の家々が印象的でした。
 今回の旅には、ガイドブックのほかに一冊だけ小説を持って行きました。それが、ここコッツウォルズ出身の作家、ローリー・リーの「ロージーとりんご酒」です。この本には、彼の子供時代のコッツウォルズでの思い出が生き生きと描写されています。ちなみに、りんご酒は英語でCider。日本ではサイダーというと、「三ツ矢サイダー」などが思い浮かびますが、本来は、りんごから作った発泡性のアルコール飲料です。味は、りんご味の甘いビールのような感じです。今回、この本を読みながら、小説のモデルとなったストラウドという村のハイキングコースを一日かけて歩きました。途中立ち寄った「ウールパック:WOOLPACK(羊毛の荷物)」というパブは、晩年のローリーもよく通ったお店だそうです。お店の看板には、羊毛を積んだ馬の絵がありました。ストラウドに限らず、コッツウォルズ地方は昔、羊毛産業で発達した地域です。きっとこの峠を、たくさんの馬が荷物を背負って行き来したのでしょう。この店のフィッシュ&チップスは最高においしかったです。しかし肝心のりんご酒を注文し忘れてしまったことが心残りです。

 次回は 静岡市立中央図書館 野元洋平さん です。
  

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