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リレーエッセー(第153回)

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リレーエッセー(第153回)

「こんな図書館にしたい」「私の出会った図書館員」「心に残るこの1冊」など、図書館員の“おもい”をリレー形式で紹介していきます。

■第153回目は 富士宮市立中央図書館 立川 清美さん です。

 古くさいようですが、紙の本が好きです。レコードがCDに代わって、さらにはダウンロードデータとなって、ジャケットアートがなくなってしまったように、本も電子化によって得られるものがあっても、失われてしまうものが多いのではないでしょうか。それとも技術の進歩によって補われていくものなのでしょうか。         
 確かに本の中の地図が拡大できたら便利だし、白黒のぼやけた写真もはっきり見られれば嬉しいものです。また、わからない言葉の説明や注釈が瞬時にわかったり、文字のサイズを自分なりに調節して読めれば助かります。それでも、紙の手触りや表紙のデザイン、活字の味わいや本全体が醸し出す雰囲気が好きです。わからない言葉を調べずに類推しながら読むのも好きなのです。
 挿画や写真や地図を、しおりや指をはさんで何度も見ながら、本文と一緒に目で楽しむ読書の喜び。忙しい毎日のなかで、ほんの少しの時間でも、たった5分足らずの空き時間でも、開けばすぐに今いる世界から別の世界に連れて行って離さない本の「ちから」。そしてまた別の世界への扉を開いてくれる本の魅力。カバンに1冊の本……。この習慣はきっと変わらないと思います。

  次回は 焼津市立焼津図書館 前堀 瑞枝さん です。 
 

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