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リレーエッセー(第143回)

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リレーエッセー(第143回)

「こんな図書館にしたい」「私の出会った図書館員」「心に残るこの1冊」など、図書館員の“おもい”をリレー形式で紹介していきます。

■第143回目は 沼津市立図書館 高草 美穂さん です。

 昨年9月、沼津市立図書館は開館18年目で来館者数1000万人を突破しました。多くの方に利用していただいていることを嬉しく思うとともに、電子書籍の普及の波が押し寄せる昨今、より魅力的な図書館になるよう頑張らねばいけないなと気持ちを新たにしました。
 思い返せば、私が図書館を利用するようになったのは高校生の頃。好きな俳優が雑誌で紹介していた“お気に入りの一冊”を探しに図書館を訪れました。静かに本を読む大人たちを横目に、手に取った村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』。読み始めた途端、その世界観に引き込まれ、あっという間に読み切ったことを覚えています。
 それまで本を読むのが苦手で、読書は読破することが目的とさえ思っていました。しかし、その本を読んで知らない世界に自分が没頭していく興奮と、本から人や歴史、音楽へと思いを馳せる楽しさを教えてもらいました。
勉強の合間に書架をめぐったり、誰かと一緒に出掛けて「いい本あった?」と言い合ったり、仕事で落ち込んだ時に本の一行に勇気づけられたり。図書館はたくさんの本と出会わせてくれた大切な場所です。図書館勤務になり約1年。諸先輩方にまだまだ知識では及びませんが、私なりに本を読む楽しさ、素晴らしさを多くの方へ伝えていけたらいいなと思います。

 次回は 沼津市立図書館 神山 和弘さん です。   

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