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2019年7~8月の貴重書展示「夏の風物詩」

夏の風物詩

上野公園より不忍花火の夜景画像
K 915-108-029-029 『上野公園より不忍花火の夜景』

静岡は日本一の花火どころ?

あまり知られていませんが、静岡県は、全国でも有数の花火どころで、経産省の統計によると、花火大会の件数が全国で断トツの1位、花火の出荷額も全国3位です。

理由は様々ありますが、お隣の三河地方が花火製造の盛んな地域で、静岡もその影響を受けているとも言われています。また、静岡は伝統花火も盛んで、新居の手筒花火や草薙の龍勢花火などは、全国でも有数の伝統花火です。

日本で最初に花火を鑑賞したのは徳川家康だと言われていますが、鑑賞した場所はなんと静岡です。慶長18(1613)年に駿府城にて家康が花火を観賞したとの記述が残されています。この花火に感銘を受けた家康が、三河武士に花火の製造を命じたとも言われており、静岡が花火どころになったのも家康のおかげかもしれません。

展示期間・場所

期間 6月29日(土)~8月29日(木)
 【第1期】6月29日(土)~7月15日(月)
 【第2期】7月17日(水)~7月30日(火)
 【第3期】8月 1日(木)~8月18日(日)
 【第4期】8月20日(火)~8月29日(木)

場所 静岡県立中央図書館 閲覧室 貴重書展示コーナー

展示資料一覧

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書名等 画像 略説
【第1期】
K915-108-047-067
『東京名所之内両国花火之図』
『東京名所之内両国花火之図』画像

明暦の大火(明暦3(1657)年)をきっかけに、万治2(1659)年に架橋され、位置は現在よりも少し下流でした。橋の両側に火除地として広小路が設けられ、江戸随一の盛り場として賑わいました。

【第1期】
K915-108-034-026
『江戸風俗十二ヶ月之内七月 七夕筋違見附八辻』
『江戸風俗十二ヶ月之内七月七夕』

楊洲周延は江戸時代末期から明治時代にかけての浮世絵師です。「千代田の大奥」など、当館では187点の作品を所蔵しています。

見附とは城の最も外側で番兵が見張りをする所です。筋違とは上野寛永寺に向かう御成道と中山道が交差する場所で、その門から外に出ると八つの街道が交差していたため、その場所を筋違八辻といったそうです。江戸の夏限定の冷や水売り(白玉入り)がいたりと七夕の賑わいが描かれています。

【第2期】
K915-108-054-035
『かばやき沢村訥升』
『かばやき沢村訥升』画像

こちらの絵には、「かばやき」とあって、鰻を裂いている歌舞伎役者の沢村訥升が描かれています。

【第2期】
K915-108-029-029
『上野公園より不忍花火の夜景』
『上野公園より不忍花火の夜景』画像

豊原国周(1835-1900)は、月岡芳年、小林清親と共に明治浮世絵の三傑に数えられ、役者絵が人気で明治の写楽と評されました。

江戸っ子気質の国周は宵越しの銭は持たず、画料が入ると酒を飲み、本人の談によれば117回の引っ越しを重ね、妻も40数回替わったという奇人でした。

【第3期】
K915-108-021-002
『江戸名所両国橋花火』
『江戸名所両国橋花火』画像

隅田川の上には豪華な屋形船や小さな船、橋の上にもたくさんの人が描かれています。現代の花火と比べてしまうと、やや暗いと感じられますが、当時の賑わいが偲ばれます

【第3期】
K915-108-039-021
『於御浜御殿徳川大樹御船手西瓜合戦上覧之図』
於御浜御殿徳川大樹御船手西瓜合戦上覧之図画像

この絵には、海辺で西瓜合戦をしているところが描かれています。どうやら赤白に分かれてスイカの取り合いをしているようです。浜の上では、徳川将軍が合戦を上覧しているのが見えます。その他、紙風船や達磨が空中に描かれていて、可愛らしいですね。

【第4期】
K915-108-022-069
『東京開化三十六景両国花火と浅草橋』
『東京開化三十六景両国花火と浅草橋』画像

三代歌川広重は、初代広重の養女に入婿て広重の名跡を継ぎました。

怒涛の如く押し寄せる文明開化の様子を、輸入アニリン紅を乱用して描かれた明治の開化絵は「赤絵」と呼ばれました。この絵では暗い夜空に花火の赤が映えています。

【第4期】
K915-108-040-006
『東都両国の夕涼』
『東都両国の夕涼』

歌川房種は歌川貞房門人で、別称「一笑斎(いっしょうさい) 一瓢斎(いっぴょうさい) 桜斎(おうさい)」とも言われています。

主な作品には『近江八景』など風景画のほか、芝居絵、源氏絵シリーズがあり、明治以降は開化絵、西南戦争関係の錦絵のほか、小説・新聞の挿絵も描きました。

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