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2016年6月の貴重書展示

『西国立志編 』画像

中村正直と静岡

中村正直は幕末~明治期の教育者で、静岡学問所で教授を務め、また同教授時代に『西国立志編』などのベストセラーを著した人物です。

江戸生まれの中村正直は、昌平坂学問所で学び、後に同学問所教授、幕府の儒官となります。さらに儒学者でありながら洋学も好んでいたため、幕府の青年英国留学事業で監督役に任命され渡英し、西洋文化を体感します。しかし、渡英中に幕府が倒れたため帰国、徳川氏を追って静岡に移住してきます。

静岡では静岡学問所にて若者を育成しながら、留学事業で体験した西洋の先進的な考えを紹介すべく、『西国立志編』『自由之理』などの翻訳書を出版しました。特に『西国立志編』は新時代の生き方に迷う民衆に歓迎され、ベストセラーとなりました。

学問所の閉鎖後も東京にて教育職に携わるほか、明六社の一員として『明六雑誌』を発行するなど、明治時代の教育文化界に大きな影響を与えました。

展示期間・場所

期間 6月14日(火)~7月18日(月)
場所 静岡県立中央図書館 閲覧室 貴重書展示コーナー

展示資料一覧

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書名等 画像 略説
133.4/ミル
『自由之理』
『自由之理』画像 この本はミル『自由論』(John Stuart Mill"On Liberty"1859) の邦訳です。 中村の個性に関する情熱的な擁護論は、明治初期の知識人に対して強烈な訴えとなり、自由民権運動に大きな影響を与えました。

159/21
『西国立志編』
『西国立志編』画像 「天ハ自ラ助クルモノヲ助ク」の言葉で有名な本書は、中村正直がロンドンから帰国する際、友人から贈られたスマイルズ著の"Self‐Help"を訳したもの。明治維新後、中村は静岡学問所の教授として、大変革期に生き方を模索している青年たちに接し、翻訳を決意した。

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