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2015年8月の貴重書展示

『ろくろ首おつる』画像

妖怪

アニメ「妖怪ウォッチ」の大ヒットにより、現在は空前の妖怪ブームですが、日経エンタメによると戦後の妖怪ブームはこれで4回目だそうです。日本人にこれほどまでに愛されている「妖怪」ですが、実は江戸時代にも大きな妖怪ブームがありました。

そもそも、世の中の不可解な事柄を妖怪の類のせいにした記録は、7世紀の飛鳥時代から見られ、『日本書紀』のような正史にも多くの怪異譚が記されています。

江戸時代後期になると、印刷技術の発達により、黄表紙や浮世絵の題材として頻繁に妖怪が取り上げられ、一大妖怪ブームが巻き起こりました。このブームにより、今まで地方ごとバラバラだった妖怪の姿や名前が全国的に統一されるようになったと言われています。ちなみに、ブームに便乗して後世に創作された妖怪も多く、有名な「がしゃどくろ」(背景)も戦後の創作とされています。

展示期間・場所

期間 8月4日(火)~8月30日(日)

場所 静岡県立中央図書館 閲覧室 貴重書展示コーナー
(期間中、資料を入れ替えて展示します)

展示資料一覧

画像をクリックすると、当館デジタルライブラリーの該当資料もしくは拡大画像が表示されます。

書名等 画像 略説
K915-108-038-017
『三十六怪撰茂林寺の文福茶釜』
『三十六怪撰茂林寺の文福茶釜』画像 茂林寺というのは群馬県館林市にある曹洞宗のお寺です。守鶴という僧が、開山以来長くこの茂林寺に勤めていました。この老僧の持つ茶釜は、幾ら汲んでも湯が尽きないという不思議な茶釜でした。ある時、守鶴はうたた寝してその正体を現してしまいます

K915-108-018-006
『白須賀十右衛門と猫石の怪』
『白須賀十右衛門と猫石の怪』画像 天保6(1835)年2月23日より江戸・市村座において上演された「梅初春五十三駅」の舞台上演図です。京都から江戸までの東海道中で起こる数々の出来事を綴った物語で、十二単を着た怪猫が、行灯の油をなめ、人を食い殺す場面を大道具大仕掛けで見せました
K915-108-038-034
『新形三十六怪撰おもゐつづら』
『新形三十六怪撰おもゐつづら』画像 おとぎばなし「舌切り雀」の一場面です。雀のお宿でおじいさんが貰った小さな葛籠に金銀財宝が入っていました。それを見た欲張りなお婆さんは自分も大きな葛籠を貰って来ます。帰り道、中身が見たくて我慢できなくなったお婆さんは葛籠を開けてしまいますが、そこからは妖怪がたくさん出てきました。
K915-108-012-017
『ろくろ首おつる』
『ろくろ首おつる』画像 ろくろ首は、「轆轤首」、「飛頭蛮」などと書く妖怪です。ろくろ首には、首が伸びるタイプと、首が抜け頭部が自由に飛行するタイプがありますが、これは伸びるろくろ首の「おつる」を描いています。浮世絵のジャンルの一つである役者絵の中でも、芝居絵や歌舞伎絵と呼ばれるものです。

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