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2015年2月の貴重書展示

『九十五年前の伊豆(天保三年) 』画像

富士山とマグロ

当館の貴重書には、富士山が描かれている風景画も数多くありますが、その中でも特に人気の高い資料が、『九十五年前の伊豆(天保三年)』です。

これは、長浜村(現沼津市)行きを命じられた幕府浜御殿奉行木村喜繁(よししげ)が、その旅の様子を自ら描いた画帳です。その中の、「長浜村漁猟場ノ景」では、バックの富士山とともに、大量のマグロが描かれているのが印象的です。当時、沼津の内浦湾では、船でマグロを港まで追い込み、それを山の上から村民に知らせ、巨大な網で一網打尽にしてしまう「追い込み漁」を盛んに行っていました。今では貴重なマグロが、内浦で大量に獲れたというのも驚きです。

ちなみに、今年は当館の開館90周年にあたるのですが、この資料は、当館の開館を記念して寄贈されたものです。資料名の「九十五年前の伊豆」とは、資料の寄贈者か当時の職員が命名したもので、開館時から95年前がだいたい天保3年頃になります。

展示期間・場所

期間 2月10日(火)~3月9日(月)
場所 静岡県立中央図書館 閲覧室 貴重書展示コーナー
(期間中、資料を入れ替えて展示します)

展示資料一覧

画像をクリックすると、当館デジタルライブラリーの該当資料または拡大画像が表示されます。

書名等 画像 略説
S089.9/9
『やをかの日記』
『やをかの日記 』画像  江戸末期の国学者 岩雲花香による天保2年の富士登山記です。道中の8日間の旅の様子を記したもので、その日数から「八日の日記」というタイトルが付けられました。旅の様子が多くの和歌とともに書かれており、当時の富士登山の様子がわかります。
K915-108-021-005
『富士三十六景甲斐御坂越』
『富士三十六景』画像  御坂峠(御坂町・河口湖町)は日本武尊がこの坂を越えて甲斐の国に入ったことが名の由来とされ、富士山の美しい展望から花水坂・西行峠(坂)とともに甲斐富士見三景と呼ばれました。
 峠の頂で突然開けた絶景に、立ち止まって雪化粧の富士を見上げる旅人の驚きが伝わってくるようです
S291/15
『九十五年前の伊豆(天保三年)』
『九十五年前の伊豆』画像  幕府奉行の木村喜繁が、天保3年(1832)に伊豆を視察した時の紀行文(天保三年 伊豆紀行)の画帳です。伊豆国君沢郡河内村(沼津市)の樟木御林を検分するよう幕命を受けた喜繁は、滞在先の長浜村(沼津市)でマグロの大漁を目撃し、22日間の旅の感想を綴った紀行文です
S294.2/18
『竜華寺より富士を望む図』
『竜華寺より富士を望む図』画像  明治初期に龍華寺(静岡市清水区村松)から富士山を描いた絵です。開祖の日近上人は非常に富士山が好きで、この地から観る富士の姿が最も荘厳であるとして、わざわざ甲州から移り住み隠居地としました。現在、国の天然記念物に指定されている、庭園の大蘇鉄も描かれています

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