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2014年12月の貴重書展示

『海老蔵の将門と団十郎の光国 』画像

現代に続く 歌舞伎役者

市川團十郎、尾上菊五郎、松本幸四郎...これらの歌舞伎役者は、江戸時代から存在していたということを知っていますか?

歌舞伎や落語の世界では、偉大な業績を残した先人の名前(名跡)を代々継いでいく「襲名」という制度があります。例えば、尾上菊五郎は現在7代目、松本幸四郎は9代目にあたります。特に、「市川團十郎」という名は歴史が長く、当代は12代目、300年以上の歴史があります。

「襲名」は、単に名前だけを継ぐのではなく、伝統や芸風、演目まで受け継ぎます。これらを受け継ぐことにより、一代では為し得ない高い次元の芸能を身に付けることができます。偉大な名跡であればあるほど、襲名には長い期間を要し、市川團十郎においては、一般的に、海老蔵→團十郎と段階的に襲名します。ちなみに、歌舞伎の襲名披露は、興行主にとっては大きな収入源となるため、他の芸事よりも襲名の回数が多い傾向にあります。

展示期間・場所

期間 11月29日(土)~2月10日(金)
場所 静岡県立中央図書館 閲覧室 貴重書展示コーナー
(期間中、資料を入れ替えて展示します)

展示資料一覧

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書名等 画像 略説
【浮世絵】
K915-108-014-040
『海老蔵の五右衛門』
『海老蔵の五右衛門』画像  石川五右衛門が南禅寺の山門の上でキセルを吹かしながら言う「絶景かな、絶景かな......」のセリフは有名でしょう。本作は上記セリフ後、鳥が咥えてきた手紙より久吉(豊臣秀吉がモデル)が実父の仇だと知る場面です

【浮世絵】
K915-108-043-072
『市川海老蔵死絵』
『市川海老蔵死絵』画像 死絵とは、役者が亡くなった際、それを知らせるとともに追悼の意味も兼ねて作られる浮世絵です。人物画に没年や辞世の句などを載せたものが一般的ですが、時代がたつにつれ、当たり役の姿で描かれたり、関係者の画像を併せて掲載したりなど趣向が凝らされるようになりました。
【浮世絵】
K915-108-015-010
『海老蔵の将門と団十郎の光国』
『海老蔵の将門と団十郎の光国』画像 歌舞伎では平将門を題材とした演目も作られています。遺児として息子の相馬太郎(良門)や娘の滝夜叉姫を出演させたものもあり、復讐劇や妖怪退治など、内容もさまざまです。本作では相手役である源頼信の家臣、大宅太郎光国を市川団十郎が演じています
【浮世絵】
K915-108-025-003
『新中納言平知盛卿市川団十郎 』
『新中納言平知盛卿市川団十郎』画像  新中納言と呼ばれる平知盛は、平清盛の四男です。清盛の長子で異母兄の重盛に次いで一門の人望厚く、重盛、清盛亡き後は棟梁を継いだ兄宗盛を補佐し、事実上の総大将として源氏と戦います。しかし、壇ノ浦の戦いに敗れ、安徳天皇が入水した後に自らも入水しました
【浮世絵】
K915-108-017-046
『団十郎浪花登り口上 』
『団十郎浪花登り口上』画像  元禄歌舞伎の時代から300年を隔てた今日まで、江戸(東京)歌舞伎の中で特別な地位を占め、もっとも大きく重い名前とランク付けされてきたのが「市川団十郎」の名跡です。代々の団十郎が際立った名優であり、荒事を「家の芸」として確立しました
【浮世絵】
K915-108-043-073
『八代目市川団十郎死絵』
『八代目市川団十郎死絵』画像 大阪の初日の朝に自殺してしまいました(享年32歳)。原因は、江戸を離れて大坂に出演することの不義理に悩んだとするものなど様々な説があります。
格別の美貌で、生涯を独身で通した八代目の人気は自殺後も一向に衰えず、300種を越える死絵が出版され、人々はその死を惜しみました。
【浮世絵】
K915-108-007-003
『小林の朝比奈坂東三津五郎』
『小林の朝比奈坂東三津五郎』画像  曽我物より三代目坂東三津五郎演じる小林朝比奈(朝比奈義秀)です。曽我物は曽我兄弟による仇討ちを題材としたもので、『曽我物語』を始め、さまざまな作品が歌舞伎や能、浄瑠璃などでも作られました。江戸期には初春の曽我物上演が慣習になるほど人気があったそうです。
【浮世絵】
K915-108-025-010
『足利光氏沢村訥升たそがれ坂東三津五郎』
『足利光氏沢村訥升たそがれ坂東三津五郎』画像 本作は『源氏物語』をアレンジした『偐紫田舎源氏』を演目化したものです。『偐紫田舎源氏』は時代を室町に設定し、色男の主人公である足利光氏(光源氏がモデル)が、将軍家の宝と謀反人を探す物語となっています
【浮世絵】
K915-108-028-050
『白玉坂東三津五郎』
『白玉坂東三津五郎』画像 助六物より六代目坂東三津五郎が演じる花魁白玉です。白玉はヒロインの揚巻とともに花魁の一人として登場します。
 助六物は実在した町人助六と遊女揚巻を題材としたもので、人形浄瑠璃や歌舞伎において心中物や任侠物が数多く作られました。
【浮世絵】
K915-108-043-071
『尾上菊五郎』
『尾上菊五郎』画像 尾上菊五郎の名跡は江戸期から現在まで七代続いています。屋号は音羽屋で、市川家と並び250年の歴史を持つ江戸歌舞伎の名門です。
ここに描かれているのは四代目尾上菊五郎(文化5年(1808)‐万延元年(1860)6月28日)で,三代目の女婿です。
【浮世絵】
K915-108-024-024
『尾上菊五郎』
『尾上菊五郎』画像 五代目尾上菊五郎は、三代目の女婿十二代目市村羽座衛門の次男に生まれ、嘉永4年(1851)に十三代目市村羽座衛門を継ぎ市村座の座元を勤めました。「青砥稿花紅彩画」(通称「白浪五人男」)の弁天小僧を初演して出世作とし、慶応4年(1868)に五代目を継ぎました。
【浮世絵】
K915-108-026-029
『音聞天竺徳兵衛尾上菊五郎』
『音聞天竺徳兵衛尾上菊五郎』画像 江戸幕府が鎖国を確立する前の寛永年間(1624-44)、貿易船の乗組員として2度天竺へ渡った播州(現在の兵庫県南部)高砂の船頭天竺徳兵衛は、晩年剃髪して宗心と名乗り、大坂上塩町に住んで天竺の見聞録を語ったという実在の人物です。

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