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2024(令和6)年2月のWeb版貴重書展示「2月23日は富士山の日」

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2月23日は、ふじさん(223)の語呂合わせで富士山の日です。平成21年に県の条例で制定された記念日で、「県民が、世界に誇るべき国民の財産であり、豊かな恵みをもたらしている富士山について理解と関心を深め、富士山を愛する多くの人々とともに、富士山憲章の理念に基づき、富士山を後世に引き継ぐことを期する日」として設けられました。条例では「富士山を後世に引き継ぐための県民運動の促進に努める」とも定められており、毎年、富士山の日前後には、各地で富士山の日の関連イベントが開催されています。
当館では、富士山関係資料を積極的に収集しており、現在1300点以上所蔵しています。
最新のガイドブックや研究書などのほか、展示資料のように江戸時代に出版された貴重書もあります。明治期の登山案内や戦前の観光パンフレット、古い写真など、その多くは閲覧が可能です。書庫にある資料の閲覧につきましては、カウンター職員にお問い合わせください。

展示期間・場所

期間 2月1日(木曜日)~2月28日(水曜日)
場所 静岡県立中央図書館 閲覧室に入ってすぐの貴重書展示コーナー

展示資料一覧

画像をクリックすると、当館デジタルライブラリーもしくは国立国会図書館デジタルコレクションの該当資料が表示されます。

書名等 画像 略説

S089.7/1
『富嶽百景』
初編の「鏡台不二」
(天保5(1834)~天保7(1836)年刊)

富嶽百景

絵本『富嶽百景』は、錦絵である『富嶽三十六景』の刊行後、計3編の冊子本として刊行されました。『富嶽三十六景』同様、富士山をテーマとした、計102図を収めています。墨の濃淡を用いて、変化に富んだ構図の中に、自然と庶民の生活を織り交ぜて描きながら、関連する説話や伝承をも絵画化して挿入しています。
初編の『鏡臺不二』(きょうだいのふじ 鏡台不二)では、富士山頂の真上に夕日が沈む様子(ダイヤモンド富士)が描かれており、夕日を鏡に、富士を鏡台に例えた題名です。近景では、2人の舟人が艪(ろ)を使えないほど小さな橋の下に舟をくぐらせています。橋の上を歩く漁夫は、右肩で担いだ艪に豆腐と徳利をぶら下げ、左手に魚籠(びく)を下げていて、晩酌を楽しみにしているかに見えます。漁夫の魚籠に鼻をうごめかせてつきまとう犬の姿も巧みに描かれています。

S089.9/9ほか
『やをかの日記』
(天保2(1831)刊)

やをかの日記

江戸末期の国学者で、歌人でもある岩雲花香(いわくも はなか)(1792~1869)による天保2(1831)年の富士登山記です。岩雲花香は阿波(徳島県)の人で、平田篤胤(ひらた あつたね)の尊王攘夷論を信奉し、勤皇を説きながら全国を行脚、自身の弟子からは勤皇の志士を輩出しました。
この日記は、田方郡の多田村(現伊豆の国市韮山)を訪れた際に、富士山へ登ることを思い立ち、その道中の8日間の旅の様子を記したものです。その日数から「八日の日記」(やをかのにっき)というタイトルが付けられました。
「荒木神社」(頼朝が馬の鞍を掛けたことから鞍掛明神とも称される伊豆の国市にある神社)や「三嶋の神社」に詣でたこと、「須走の滝」(すばしりのたき)でみそぎを行ってから「富士浅間神社」に参拝したこと、「箱根の湖」を見ながら登ったことなど、旅の様子が多くの和歌とともに書かれており、当時の富士登山の様子がわかります。

291/44
『東海道名所図会』
「題池生冨士山図」
(寛政9(1797)年刊)

東海道名所図会

名所図会は、江戸時代後期から明治期にかけて出版された旅の案内書で、各地の神社仏閣・名所旧跡・名物・説話等を、歴代の歌人の和歌や著名な絵師の挿絵などを用いて解説している資料的価値の高い地誌です。
『東海道名所図会』は全6巻あり、静岡県下の22宿は、巻3から巻5にわたって記されています。(当館所蔵本は巻4が欠けています)
この絵図には、吉原駅から見えた雄大で美しい富士山が描かれています。富士山は世界に名高い名山であり、原在正(はら ざいせい)(江戸時代後期の京都出身の画家、1824年没)が力を注いだことが伝わってきます。

国立国会図書館デジタルコレクションで全文を読むことができます。(東海道名所圖會 外部サイトリンク)

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