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2023年(令和5)年11月のWeb版貴重書展示 「万延元年の遣米使節」

Annual report of the Chamber of Commerce of the State of New York, for the year 1858

嘉永6(1853)年の黒船来航は、当時の日本人に大きな衝撃を与えました。鎖国政策で海外の事情をほとんど知らなかった日本人の価値観を大きく変えるものでした。
その翌年、江戸幕府は再び来航したペリーと日米和親条約を締結して開国に踏み切り、さらに安政5(1858)年には、初代米国駐日総領事として赴任していたハリスとの間で日米修好通商条約を締結しました。
このような激動の時代の中で諸外国と触れ、その後の日本を大きく変えた人物がいます。例えば、日米修好通商条約の批准書交換のために江戸幕府が派遣した万延元年遣米使節の目付役だった小栗忠順(おぐりただまさ)は、帰国後、日本の近代化を次々と進め、司馬遼太郎から「明治の父」と評されるほどの活躍を見せました。
また、この遣米使節に護衛艦として随行した咸臨丸(かんりんまる)には、勝海舟や福沢諭吉の姿もありました。彼らも、この渡米体験に大きな影響を受け、その後の日本を大きく変えた人物です。

展示期間・場所

期間 11月1日(水曜日)~11月29日(水曜日)
場所 静岡県立中央図書館 閲覧室に入ってすぐの貴重書展示コーナー

展示資料一覧

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書名等 画像 略説

AE137
The law of nations

The law of nations

本書はマルテンス著『現代ヨーロッパ国際法概要』のフランス語本をコベット(Cobbett)が英訳したものです。アメリカの初代駐日総領事タウンゼント・ハリスが下田に赴任する途中のロンドンで購入したもので、見返しに「Townsend Harris London October 31/55」とペンで署名があります。ハリスは幕府との交渉の際にこの書を引用するなど、通商条約締結に向けて参考にしていたようです。
本書には開成所の印記がありますが、ハリスが滞在していた当時は蕃書調所(ばんしょしらべしょ)と称していたことから、日本を去るにあたって誰かに贈ったものが、後に開成所に寄贈されたと考えられます。


AJ13
『亞墨利加紀行』

亞墨利加紀行

日米修好通商条約批准書交換のために派遣された小栗忠順の従者による日誌です。
遣米使節一行77人は、アメリカ軍艦ポーハタン号に乗船して万延元(1860)年1月中旬に品川沖を出発し、ハワイ王国、サンフランシスコ、ワシントン、ニューヨーク等を訪問しました。使節一行はホワイトハウスで大統領に謁見、批准書を交換し、アメリカ国民から大歓迎を受けました。帰路は、北大西洋を横断してカーボベルデやルアンダで西洋人に使役される現地住民を目撃しています。インド洋からバタビアに至り、英仏軍の北京進駐のニュースに接しながら香港を経由して、9月下旬に品川沖に帰国しています。
本書は世界各地の景色や風俗や動植物などが挿し絵とともにユーモラスな筆致で描かれており、当館所蔵本はその写本4冊です。

AE247『Annual report of the Chamber of Commerce of the State of New York, for the year 1858』

Annual report of the Chamber of Commerce of the State of New York, for the year 1858

万延元(1860) 年の遣米使節団のアメリカ訪問の際に、およそ500冊の図書が使節団に寄贈されたといわれています。このうちの10余部が葵文庫に所蔵されています。これらの図書には使節団への献辞が書かれたものがあります。
本書は寄贈用に装丁しなおされ、濃緑の表紙に日章旗を印刷、その下に「To the Embassy from Japan」の献辞が金文字で入れられています。

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