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2023年(令和5)年9月のWeb版貴重書展示 「安政の大地震(発生編)」

安政の大地震

幕末の安政年間(1854~1860)、日本各地で大地震が発生しました。このうち、安政元(嘉永7、1854)年11月4日の東海地震、翌5日の南海地震、安政2(1855)年10月2日の江戸地震を安政の三大地震といい、この時発生した東海・南海地震は、南海トラフ沿いを震源とする南海トラフ地震とされています。
安政の東海・南海地震の後、南海トラフでは、昭和19年に東南海地震、昭和21年に南海地震が発生しましたが、破壊の及ばなかった駿河湾から御前崎沖が地震の空白域とされ、駿河湾内を震源とする東海地震への対策がとられることになりました。
しかし現在では、昭和の東南海・南海地震から80年近く経過していることもあり、東海地震単独ではなく、南海トラフ全体を領域とする巨大地震への防災対策が進められています。

展示期間・場所

期間 9月1日(金曜日)~9月28日(木曜日)
場所 静岡県立中央図書館 閲覧室に入ってすぐの貴重書展示コーナー

展示資料一覧

画像をクリックすると、当館デジタルライブラリーの該当資料もしくは拡大画像が表示されます。

書名等 画像 略説

K085/1

『安政見聞誌(あんせいけんもんし)』

安政見聞誌

安政2(1855)年に発生した大地震の詳細な記録集。歌川国芳等による豊富な挿絵とともに、江戸の被害状況を地域ごとに記してあります。余震の大きさを大小様々な丸の大きさで表したり、丁の片辺を綴じずに折り込みにしていたりと多様な工夫がなされています。
また本書には作者が書かれていません。これはこの本が当時無許可で出版されたため幕府から発禁処分とされ、また関係者も処罰を受けており、これを見越した作者とされる仮名垣魯文が、罪を免れるためあえて署名をしなかったからであるという話も残されています。


S222/8

『静岡市史編さん資料70 萬留帳(よろずとめちょう) [29]

静岡市史編さん資料70萬留帳

『萬留帳』は、正徳5(1715)年から明治に至るまでの年行事(町方惣代)が書き継いできた駿府町会所の記録です。本書では「地震并出火之記録」として、地震の発生とその後の火災の様子を記録しています。
駿府町会所は七間町の雷電寺(現・別雷神社)境内に置かれ、年行事は3町の町頭が交代であたり、町奉行所からの伝達事項を町々へ伝えていました。安政東海地震発生時の年行事は、新谷町・紺屋町・横内町でしたが、震災で業務執行が困難となったため、番所の命により次の当番町である両替町4・5・6丁目が担当することとなりました。
なお、展示資料の解説は、旧静岡市文化財資料館の御協力のもと作成したものです。

S222/8

『静岡市史編さん資料70 地震関係資料 [131]

静岡市史編さん資料70 地震関係資料

静岡市史編さん時に収集・記録された地震関係資料をまとめたものです。
安政元(1854)年11月4日に起きた安政東海地震では江川町から火が出て13町約580軒が焼失したそうです。この震災に際し、紺屋町少将井社と上魚町(現・金座町)秋葉社に「施粥所」が置かれ、現代でいう炊き出しが行われました。まず6日に少将井社にて始まり、一か所では混雑してけが人が出るため8日から秋葉社でも施粥が行われました。少将井社は現在の小梳神社、秋葉社は秋葉権現を祭る金座稲荷神社だと思われます。展示しているのはその施粥所の絵図で、絵図内には「粥渡場」の文字をみることができます。

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