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名著・貴重書/洋書と明治初期の翻訳書
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(1)法律書 6

KO84-6
[『法の精神』(前ページ)の明治初期翻訳書]
孟徳斯鳩(モンテスキュー)著
何礼之訳『万法精理』
何氏蔵版 明治8,9年(1875, 76) 和装本 31巻 18冊

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 わが国最初の『法の精神』の翻訳本である。何礼之(が のりゆき)(1840-1923) は、明治4年(1871年)、岩倉使節団の一員としてアメリカへ渡った。彼はそこで、モンテスキューが偉大な法学者であることを知り、帰国後英訳の“The Spirit of Laws ”をもとに翻訳し、これを『万法精理』と題して出版した。訳は正確で、この本の趣旨をよく伝えているといわれる。和装本18冊からなる完訳である。(1)
 『法の精神』には「日本の法の無力さ」について述べた章がある。何礼之は『万法精理』で、「この章は、今から100年以上前に長崎の出島に居住していたオランダ人の説話を伝聞したもので、全くのでたらめである。」(巻之6,23丁)という意味を付記している。

<参考文献>
    (1) 井上幸治編「モンテスキュー」(080-100-28『世界の名著』28 中央公論社 1974年) p.7-9.

 
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