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名著・貴重書/洋書と明治初期の翻訳書
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(1)法律書 5

AF131
Montesquieu
“De l'Esprit des Loix ” derniere ed. Amsterdam, 1749.
(モンテスキュー『法の精神』最新版 1749年 アムステルダム)1冊 [初版は1748年]
印記:開成所、静岡学校

タイトルページ
 
表紙裏の貼紙
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表紙裏の貼紙

 モンテスキュー(1689-1755)の『法の精神』は、三権の分立を説いたことで有名であるが、おびただしい資料を基礎とした実証的な精神で貫かれている点でも、社会科学の成熟していない当時としては画期的であった。(1)
 彼はこの労作を検閲を恐れて、匿名で1748年ジュネーヴから出版した。ところが、『法の精神』は出版と同時に大評判になり、パリやロンドンで出版され、またアムステルダムでも二つの版がすでに売り切れ、改訂、増補の最新版が出版された。(2)
 当館の江戸幕府旧蔵書(1749年、アムステルダム出版)はその当時のものであろう。本の背が MONTESQUIOUとなっている。なぜ EがOになっているのかは不明であるが、当時は背文字の表記は厳密なものではなかったらしい。
 なお、「丙寅」(ひのえとら)の書き込みのあることから、本書が開成所に入ったのは慶応2年(1866年)と思われる。

<参考文献>
    (1) 出口勇蔵「モンテスキュー−生活と作品と思想と」(108-109-19 『世界の大思想』19   河出書房新社 1973年) p.556-557.
    (2) 福鎌忠恕『モンテスキュー[第3部]』酒井書店 1975年 p.144.

 
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