*************************************************************** 子ども読書情報 ***************************************************************  ┌────────────────┐ 1.│一日えほんとしょかん 藤枝 │  └────────────────┘    9月25日(土)、藤枝市生涯学習センターにて、一日えほんとしょかんが 行われました。本年度は川根町、由比町に続き3回目の開催になりました。  藤枝会場では「子どもと本をつなぐ会」の会員の方々に、素晴らしいチーム ワークのもと、会場レイアウトから800冊余の絵本の展示まで活躍していた だきました。今年度「藤枝子どもと本をつなぐ会」では小澤俊夫先生の講演会 に始まり、この「えほんとしょかん」をもって活動の一つの区切りとしたいと のこと。  会場には午前中に250人、午後には160人を超える親子連れが訪れ、入 場者数は420人に近い数を記録しました。  おはなしの部屋では、読み聞かせ・パネルシアター・くみ木・ストーリーテ リングが4回にわたって行われ、どの回も100人近い人でいっぱいになり、 部屋に入りきれないほどでした。訪れた子どもたちは、おはなしを聞くことが 上手な子どもたちが多く、普段から本と親しむ環境が整っているのだろうと思 われました。  会場ではお母さんと本を楽しむ子どもたちの姿だけでなく、おじいさんやお ばあさん、またお父さんと一緒に絵本を楽しむ子ども達の姿が見られ、ほほえ ましい限りでした。  藤枝市では10月にブックスタートも始まるとのことです。  ┌────────────────┐ 2.│不思議を信じる力       │  └────────────────┘  「やまんば山のモッコたち」で2002年度の日本・IBBYオナーリスト を受賞した、作家の富安陽子氏は、子どもと本を結ぶのには、本の楽しさを知 っている身近な大人が、お話や本を手渡すことが大事だと講演の中で語ってい ます。  富安氏は幼い頃、おばあさんや父親から、たくさんのお話を聞いて育ちまし た。おばあさんは妖怪話がお得意で、"妖怪あかなめ""妖怪すねこすり"などの 話を実話として孫である富安氏に語りました。また、父親はたいそうなほらふ きで、海で海坊主に会った時の対処法、ライオン狩りの方法をまことしやかに 語りました。そうした日常の積み重ねから、目に見えない世界、違う価値観の 世界があるのではないかと、子どもの頃から感じていたそうです。  富安氏にとって日常のなんでもない世界の中に、不思議があるといいます。 空を茜色に染める太陽に、いろいろと形を変える雲に…。  そして、今日、子どもたちを囲む環境は情報技術の進歩と共に大きく様変わ りしており、大人顔負けの知識をもった子どもも多くいるが、それでも、子ど もたちが不思議を信じる力は衰えてないといいます。それを大事にしてあげる 大人の感性が大切なのだといいます。  読み聞かせ、ストーリーテリング、パネルシアター…。子どもたちにお話を 手渡す術はいろいろありましょうが、手渡す側の大人の感性として「不思議を 信じる力」があって初めて、お話は生き生きとした力をもって子ども達の心に しみていくものではないでしょうか。