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■第126回目は 河津町立文化の家図書館 鈴木 基 さん です。■ |
1 『分類語彙表』 (国立国語研究所/著 東京秀英出版 1964年) 文章を書くことが多かった私は、この本を手元に置いて仕事をしていた。今もそうだ。学生時代に求めたものだから、40年以上使っていることになる。少し前に改訂版が発刊され併用を始めた。しかし、私には旧版サイズが手になじんで使いやすく、古ぼけても主としてお世話になっている。 「分類語彙表」というのは、国立国語研究所が、使用頻度の高い現代語を、意味によって語の類似や同様の関係を一覧にした表である。このような仕事が類語辞典などを編纂する基礎研究になったのではないかとも思う。 「表」というと薄っぺらい印象を持つかもしれない。だが、これは367ページの立派な書籍だ。使ってみて価値の分かる国立国語研究所の労作である。 2 『学校では教えてくれない!国語辞典の遊び方』 (サンキュータツオ/著 KADOKAWA 2016年) ひそかに辞典ブームのようだ。昨年は『広辞苑』の出版が話題にもなった。ブームの火付け役は『舟を編む』や『新解さんの謎』だろうか。どちらも辞書がモチーフだ。辞書の世界も面白い、で終わればよかったのだが、ほどなく魅惑的な一冊と出会ってしまった。それが、『学校では教えてくれない国語辞典の選び方』である。読み終えた直後、関連本を三冊も注文している自分がいた。一冊の本が時折あらぬ読書の進路を指し示す典型的な例である。 たくさんある国語辞典を比較して、その特質をあぶりだす。編者の苦心を分析し、それらを興味深く伝える。家庭に一冊はある国語辞典、子どもたちが学習で用いる国語辞典への見方や考え方が深く広がる。 たかが国語辞典だが、されど国語辞典である。 次回は 松崎町立図書館 渡邉 一貴 さん 梅田 博子 さん 伊藤 乃江 さん です。 |