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■第117回目は 南伊豆町立図書館 長谷川 留美さん 石井 祐子さん です。■ |
1 『ねこの京都』 (岩合 光昭/著 クレヴィス 2017年) 私は、ねこ好きです。 表紙の写真を見て手に取りました。縞模様のねこちゃんがねこの置物と同じポーズをしているので、この本はねこが大好きな人の写真集だとすぐわかりました。なぜかといえば、写真家岩合さんはねこ好きだから分かる、かわいい瞬間を知っているという事が伝わってきたからです。 例えば、ねこが涼しい場所を探して手足をだらっと伸ばしますよね。おもわずそうそうと言いたくなるような瞬間も撮ってあります。 あと、ねこが空中を飛んでいるかのような写真がありますが、実際飛んでいる姿は見えないのに、写真にするとおもしろさが出るのですね!特に、ねこの顔が真剣すぎて笑いました。 そして、ねこが喜ぶ時長いしっぽをアンテナのように使いますよね?そのしっぽの先だけ白いねこに対しての岩合さんのコメントが素敵でした。 「しっぽの先もちゃんと撮ってね」 そんな気持ちでねこは見せてるつもりはないと思うのですが、岩合さんの受け取り方がおもしろいのもこの本の魅力の一つだと思います。 私の一番心に止まった写真は、おじいちゃんと一匹のねこのストーリーを感じられる一枚です。「義経いくか。」と声をかけるおじいちゃんに、ねこはすくっと立ち上がりついていく。どこに行っても一緒。そんな姿を、ネコを通してヒトを、ヒトを通してネコを撮っていたようだったと書いてあります。なるほど、私の父親と飼い猫(きなこ)を見るようでした。必ずついていきます。エサをあげる時だけ。 最後に、なぜこの本を選んだのかといえば、ねこも京都もどっちも好きなので。ネコ好きならよく分かる場面が沢山詰まっています。きっと、犬派の人もねこもこんな表情するんだと可愛く思うはずです。おすすめは猫目線で見る事です。 読んでいただきありがとうございました。 (長谷川 留美) 2 『珍獣ドクターのドタバタ診察日記』 (田向 健一/著 ポプラ社 2017年) 著者は獣医の田向健一さん。小さいころから動物が大好き。いろんな動物をみられる獣医さんになろうと決めていたそうです。言葉が話せない動物の診察は、体の様子と飼い主さんからの情報が頼りです。毎回先入観を持たず、ていねいに行っているそうです。表紙をめくるといろんな動物の写真が載っています。先生はトカゲやヘビ、モモンガ、サル、ブタ、ヤギ、カエルなど100種類の動物を診察したそうです。 動物病院はいつもドタバタ。メロンほどの大きさのガンの手術をする柴犬。手術の途中で出血し、100針ほどの大手術は3時間立ちっぱなし。それが終わると午後の診察が始まる時間で、不調を抱えた動物たちが飼い主さんに連れられてやってきます。口内炎のアオジタトカゲ。次はこぶたの健康診断。レオンベルガーという大きな犬の逆さまつ毛の手術。下痢をしているハムスターや予防接種をしに来たネコなど。毎日いろんな動物がやってきます。大学では教えてくれないことばかりなので、先生は必死に治療法を探します。命は待ってくれません。動物のためなら、無いものは自分で手作りします。普段から他の獣医さんと情報交換をしたり、勉強を続けています。動物に対する熱い思いが伝わってくる1冊です。 (石井 祐子) 次回は 小山町立図書館 滝口 詩乃 さん です。 |