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■第99回目は 函南町立図書館の 牧野満枝さん、相庭瞳さん、大畑真依さん です。■1 『おかあさんだいすき』(岩波の子どもの本) (マージョリー・フラック/文・絵 大沢昌助/絵 光吉夏弥/訳 岩波書店 1954年) この絵本には、2つのおはなしがあります。1つ目は、お母さんの誕生日プレゼントを探す男の子、ダニーのお話です。ダニーは出会っためんどり、がちょう、ヤギ、牛、羊たちの提案を次々と断ります。最後に会いに行ったくまが、名案を耳打ちしてくれます。さあ、ダニーが選んだお母さんへのプレゼントは何だったのでしょうか。 2つ目も、お母さんに編んでもらった帽子を大切にする男の子のお話です。どちらもお母さんを想う子どもの気持ちに、胸が熱くなる素敵なお話です。 この絵本は、私が幼かった時に、母に読み聞かせを何度もねだった本です。また、娘と息子が小さかった時に、書店で何十年ぶりかで再会し、自分の子供たちにも読み聞かせをした懐かしくも忘れられない大切な本です。 今度は、長く病院に入っている絵本や紙芝居が大好きな83歳の母に、持って行って読みきかせてあげようと思っています。お母さん、この絵本覚えてくれているかな? (牧野 満枝) 2 『クリスマスってなあに?』 (ジョージ・G・ロビンソン/文・絵 こみやゆう/訳 岩波書店 2012年) もうすぐクリスマスですね。クリスマス関連の本は国内外で本当にたくさん出版されていますが、私がクリスマスにおすすめしたいのが『クリスマスってなあに?』です。 この本には、クリスマスのなりたちや関連の言葉が分かりやすく紹介されています。加えて、とあるお家でのクリスマスの過ごし方に合わせて、食べられているものや用意しておくものなどについても紹介されています。日本のクリスマスではあまり見ないような風習についても紹介されていて、「イギリスのクリスマスはこんな感じなのかな…」と思いを馳せながら読みました。 三色刷りの挿絵にもぜひ注目して頂きたいです。シンプルですが細かいところまで描かれていて、つい色々なところを見てしまう、かわいい絵本です。 (相庭 瞳) 3 『生きていくあなたへ 105歳どうしても遺したかった言葉』 (日野原 重明/著 幻冬舎 2017年) 今年の7月18日、105歳で亡くなられた日野原先生。この本は、生涯現役の医師として活躍された日野原先生の最期のメッセージとなりました。完全独立型ホスピスを日本で初めてつくったり、人間ドックをいち早く病院に取り入れたりなど、日本の医療界にとって革新的な取り組みを進めてきた日野原先生ですが、その生涯がどのようなものであったのかがこの本から分かります。 また、この本は質問に対して日野原先生が答えるという対話形式がとられており、日野原先生が私たち一人一人に語りかけたい思いが伝わってきます。ところどころに日野原先生による一言メッセージもそえられており、その一言メッセージを読むだけでも励まされます。 手元に置いておき、何度も繰り返し味わいたくなる本です。ぜひ読んでみてください。 (大畑 真依) 次回は 静岡市立北部図書館の 青島 貴子 さん です。 |