図書館員の棚から3冊(第85回)(2017/05/16)

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図書館員の棚から3冊(第85回)(2017/05/16)

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図書館員の本棚拝見!
このコーナーでは、あなたの町の図書館員が本や雑誌、漫画を御紹介します。
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■第85回目は 静岡県立中央図書館 太田 夏子 さん です。■


1 『OZ』全4巻
     (樹なつみ/著 白泉社 1992年〜1993年)

 中学生の頃に初めて読みましたが、以来ずっと一番好きな漫画です。舞台は第3次世界大戦後、地球規模の戦国時代になった北アメリカ。天才科学者の少女が、偶然出会った傭兵の青年と共に行方不明の兄がいるという飢えも戦争もない科学の都OZへ旅をする物語です。兄は、自分の創ったロボットを妹の所に送り、自分の住むOZへ案内させます。少女は、なぜ兄は行方不明になったのか、OZはなぜ作られたのかなど様々な疑問を抱えながら旅を続け、途中では傭兵の青年とはぐれるなど危険な目にあいます。無事にOZにたどり着き、兄に会うことができるのでしょうか。

 オズの魔法使いのモチーフを下敷きに、ロボットは心を持てるのかをテーマに描かれます。この漫画は連載開始からすでに28年経過していますが、内容が古くなっているとは感じられません。

 少女漫画だからと、苦手意識を持たないでください。恋愛要素は少なめで大人も男性も楽しめる話だと思います。


2 『獣の奏者』
     (上橋 菜穗子/作 講談社 2006年〜2010年) 

 今までの棚から3冊でもすでに紹介されていると思います。でも、私もこの小説が一番好きなので紹介させてください。

 母と死に別れたエリンは、蜂飼いのジョウンに救われます。母と同じ獣ノ医術師を目指すうちに、決して人に馴れないとされる王獣に心を奪われ、共に生きる道を選んでいきます。国内の争い、外国との戦い、戦争に使われる獣・闘蛇、先祖の過ちなど、様々な事件が起こっていき、この先どうなっていくのか、世界にどんな不思議が隠されているのか予想ができません。

 全4巻と外伝1巻の長い物語ですが、退屈な部分はこの本にはありません。私は飽きもせず何回も読んでいますが、そのたびに新たな発見があり楽しめます。


3 『異世界居酒屋のぶ』
     (蝉川 夏哉/著 宝島社 2014年〜)


 この本は自己紹介のため、みたいなものです。

 子どもの頃から異世界の物語にわくわくしました。そして、二十歳を過ぎてからはお酒が大好きになりました。書店でタイトルを見た途端、強く惹かれ購入することに決めました。

 お稲荷様の力で、異世界の裏路地につながった居酒屋のぶ。よく冷えたトリアエズナマ(ビール)や日本の居酒屋メニューとおもてなしで常連客は増えていきます。人気が出てくることで目障りに思う人も出てきますし、政治に絡んだ問題にも巻き込まれる中、居酒屋のぶの従業員達は、常連客の協力とおいしい料理の力で解決に向け奮闘していきます。

 この本を飲むと、私は冷えたビールとスパゲティナポリタンが欲しくなります。唐揚げや南蛮漬けもいいなぁ・・・。今夜もおいしいビールをいただきます。

        次回は 静岡県立中央図書館 前田 雅人 さん です。


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