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資料解説
静岡県立中央図書館は、多くの郷土に関する資料を収蔵しています。
このたび、郷土資料のなかでも貴重である『御巡幸御道筋絵図』
をホームページに掲載しました。
美しく彩色されたこの絵図は、箱根から白須賀に至る沿道の村名・神社・仏閣・
学校・名物などを記し、御野立所(おんのだてしょ)・小休所・行在所(あんざいしょ)
を示しています。宿場については戸数・人口が記されています。
明治天皇の北陸・東海巡幸は、明治11(1878)年8月30日に出発し、東京から
前橋・長野・新潟・富山・金沢・福井・京都・岐阜・名古屋・静岡をめぐって11月9日
帰京する陸路72日間の大旅行でした。この巡幸の前には西南戦争(西郷隆盛ら
不平士族の反乱)、紀尾井坂(きおいざか)の変(巡幸の計画立案者大久保利通
(おおくぼとしみち)の暗殺)、竹橋騒動(近衛砲兵隊の反乱事件)など、政府を揺る
がす事件が相次いで起こっていました。このため巡幸の供には岩倉具視(いわくら
ともみ)・大隈重信(おおくましげのぶ)ら政府首脳部を含む300人余の随員に加え
400人余の巡査が同行しました。そして、受け入れる地方側でも、厳戒体制のなか、
巡幸を迎え入れました。大久保は、巡幸の目的を「各地の風土人情、民間の疾苦」
を天皇が感じることにあるとし、また、天皇の巡察する場所は勧業・教育・軍事施
設が中心でした。
なお、これまで「ZOOMA」で提供していました高精細画像『世界四大洲新地図帳』は、
2010.12.25に提供を停止させていただきました。そのほかの利用に関しては、
静岡県立中央図書館調査課までお問い合わせください。