『世界四大洲新地図帳』
(5)下57 東南アジア (植民の動き)

 出版地はオランダ・アムテルダム、総皮表紙の大型豪華本である。上巻91枚、下巻88枚、18世紀にヨーロッパに流布していた地図が収録されている。各地図には、漢字やカタカナで地名を墨書した金・銀紙が貼られている。貼ったのは江戸時代中期の阿蘭陀通詞・蘭学者本木良永で、本地図帳の総論部分を訳して『阿蘭陀全世界地図書訳』としてまとめている。本木の訳した地名が現在の日本で使用されている地名の始まりであるといわれている。 日本の地図は、ドイツ人ケンペルが著した『日本誌』にあるものと同一である。
 <参考文献>「コヴァン・モルチール共編『世界地図帳』と本木良永訳述『阿蘭陀全世界地図書訳』(『葵』18号)(請求記号SZ01-3) 

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