AO-15
[タシ−チェフ「仏露辞書」(L−Z)]
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ゴロウニンが文化8年(1811)、国後(クナシリ)島で捉えられたときに所持していた辞書の下巻。上巻は一橋大学古典資料センタ−に現存する。
ゴロウニンの帰国後、この辞書は紆余曲折をへて幕府に帰し、蕃書調所(ばんしょしらべしょ)の蔵書となった。 一橋本(A−K)の表紙裏、見返しの左肩には
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ワシ−リ−・ゴロウニン蔵書/ 於ペテルブルグ 1802年5月16日/
値段 2冊 14ル−ブリ/ 27番
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というゴロウニンの旧蔵を示す識語があるという。葵文庫本(L−Z)にもゴロウニンによると思われるフランス語、ロシア語などの書き込みが多数見られる。ゴロウニン「日本幽囚記」(岩波文庫)中巻(187ペ−ジ)には、日本の通詞たちがこの辞書を数頁写すなど、勉強している様子が述べられている。
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<参考文献>
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中村喜和「館蔵 『仏露辞書』 綺談」(017.7-109「一橋大学図書館史」)
大橋 渉「わが図書館を語る〜一橋大学〜」(「窓」1972年9月、ナウカ)
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